1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454303
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
門田 守人 大阪大学, 医学部, 助教授 (00127309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 俊雄 大阪大学, 医学部, 助手 (50205051)
後藤 満一 大阪大学, 医学部, 助教授 (50162160)
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Keywords | ラット / 同所性肝移植 / 免疫寛容 / Oral tolerance / Antigen presentation / 経門脈的投与 |
Research Abstract |
現在までにACIからBUFを用いたラット同所性肝移植の実験において、術前ドナーリンパ系細胞を門脈内投与後肝移植を行うと移植肝は、永久生着を示すこと、またこの免疫抑制効果はドナー特異的であることを報告している。本年度はこの門脈内投与における免疫抑制効果のメカニズムを調べるために、投与したリンパ球の肝内への集積に着目し、アロ抗原の摘脾後静脈内投与、門脈内直接投与および静脈内投与したラットにおいてそれぞれの免疫抑制効果を比較検討した。まず^<51>Crラベル化リンパ系細胞投与後の肝臓への集積率(%)は、門脈内投与群25.0、静脈内投与群17.8、摘脾後静脈内投与群28.8で、門脈内投与群、摘脾後静脈内投与群は、静脈内投与群に比し有意(P<0.05)に高かった。次に各々の群における免疫反応を検討した。1)前処置後10日目の遅延型過敏反応は門脈内投与群、摘脾後静脈内投与群は対照群に比し有意に(P<0.01)DTH反応が抑制されその効果は静脈内投与群に対しても認められた。 2)リンパ系細胞投与後の抗体価についても、種々の前処置後10日目に再度免疫した後の7、14日目の抗体価は、門脈内投与群、摘脾後静脈内投与群は静脈内投与群に比し抗体産生を有意に(P<0.05)抑制したが、摘脾単独群ではその効果はなかった。 3)in vivoでの免疫抑制効果をみるため前処置後10日目に同所性肝移植を各群において施行したところ、肝移植の生着日数は、静脈内投与群、摘脾単独群においては対照群に比して有意な生着延長効果は認められなかったが、門脈内投与群、摘脾後静脈内投与群では全例が45日以上の長期生着を示した。以上よりドナーリンパ系細胞の摘脾後静脈内投与群と門脈内投与群は静脈内投与群に比し肝内にドナーリンパ系細胞がより多く集積し、これら2群は類似の免疫抑制を示し、門脈内抗原投与によりもたらされる免疫抑制については投与ルートよりも投与抗原の肝内集積が重要な因子であると考えられた。
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[Publications] Nakano Y.: "Permanent acceptance of liver allografts induced by intraportal administration of donor spleen cells in rats." Surgery. 111. 668-672 (1992)
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[Publications] Nagano H.: "Mechanism involved in immunosuppression induced by intraportal ingection of donor spleen cells in rats." Transplant.Proc.24. 2900-2901 (1992)
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[Publications] Nagno H.: "Prolonged survival of hepatic and cardiac allografts by intravenous injection of donor spleen cells following splenectomy in rats." Transplant.Proc.
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[Publications] Tono T.: "Biliary interleukin-6 levels as an indicator of hepatic allograft rejection in rats." Transplantation. 53. 1195-1201 (1992)