1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454306
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Research Institution | Nagoya City University Medical School |
Principal Investigator |
由良 二郎 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (90079997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花井 拓美 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (60164878)
橋本 俊 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (10094393)
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Keywords | 分割肝移植 / ブタ / 実験的肝移植 |
Research Abstract |
〈目的〉生体部分肝移植の実験、および臨床経験をいかして一個体より得られた肝臓を2分して二人の患者に移植する、いわゆるONE DONOR TWO RECIPIENTS(分割肝移植)の肝移植法の臨床応用を目的として肝の分離法、保存法、移植法の各面より工夫を凝らし、肝移植の成績向上とDONOR不足の解消に務め、本邦における脳死肝移植の普及発展に寄与することを目的とした。 〈対象〉生後1-1.5ヶ月の食用豚、体重(ドナー:22-37kg、レシピエント:11-23kg)、および輸血スペンダー用の合計46頭を使用した。 〈方法〉実験的生体部分肝移植を反復し、手術手技を確立した後、移植片採取の方法、すなわちin situの分離を行った群と肝摘出後に分離した群の2群に分類した。また、うち2例では北海道大学第一外科との協力のもとに一方の移植片を航空便を利用、輸送し、遠隔2施設での同時移植を試みた。検討項目はドナー側で1.手術成績、2.移植片の組織学的検討、レシピエント側で1.移植片の組織血流、2.胆汁分泌量及び組成、3.生化学的肝機能検査、4.移植成績等から総合的に評価した。 〈結果〉 1.ドナー手術では、in situの分離を行った群が術時出血量は多いが、バックテーブル手術操作も簡便で、移植後の断端出血も少なかった。また、生体肝移植同様、肝実質分離後1時間の待機を行うことは、組織血流回復に有効であり、分割肝移植の安全性を高めると考えられた。 2.遠隔地輸送においては通常の交通機関使用では長時間を要し、臓器保存限界を超えていた。 〈今後の問題点および展開〉 分割肝移植法の確立に加え、より確実な臓器保存法と臓器Viabilityの診断法の開発が本邦における脳死肝移植の普及に必要である。
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Research Products
(1 results)