1992 Fiscal Year Annual Research Report
Interleukin 2生体内代謝の解析と癌免疫療法への応用に関する基礎的検討
Project/Area Number |
03454327
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
安富 正幸 近畿大学, 医学部, 教授 (60028438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 一三 近畿大学, 医学部, 助手 (60227783)
広畑 健 近畿大学, 医学部, 助手 (60228848)
奥野 清隆 近畿大学, 医学部, 講師 (30169239)
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Keywords | インターロイキン2 / 生体内代謝 / 腎臓 / サイトゾール / 半減期 |
Research Abstract |
生体内において急速な半減期を示すIL-2は腎尿細管に存在するacid proteaseで代謝をうけている。これまでの検索では、マウス腎サイトゾール内において、IL-2を代謝する酵素分画は、分子量が60kDa付近のタンパク質であった。今年度は、この分画をウサギに免疫することによりIL-2代謝酵素分画に対するポリクローナル抗体の作成に成功した。この抗体存在下ではin vitroにおけるIL-2 degradationがその濃度依存性に抑制され、また、マウスモデルにおいても、0.1mg/マウス以上の抗体を腹腔内投与処置することにより全身投与した^<125>I-IL-2の腎への集積性の低下と腎homogenateにおけるIL-2 degradationの抑制も確認した。しかしながら、現在の抗体価では血中半減期の延長は見られず目標である少量のIL-2による血中IL-2濃度の維持は実現せず、さらに抗体価の高い抗体の回収と純化が今後の課題である。また、この抗体投与による副作用の発現も検討すべきである。 さらに現在進めている実験は、IL-2の生体内代謝延長と肝局所への効果的な集積を目的として、IL-2を肝類洞壁細胞に多く存在するガラクトースレセプターを利用してIL-2をガラクトースを中心としたリポゾームに封入し、より効果的に肝局所へのIL-2の取り込みを計る実験も行なっている。マウスモデルでは、同量のIL-2門脈内投与に比較して、ガラクトース-1ipo-IL-2は有意に肝への集積性が増加するデーターを得ている。この方法は転移性肝癌に対するadjuvant therapyの臨床応用の基礎的検討として行なっていく予定である。
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