1992 Fiscal Year Annual Research Report
線条体虚血性細胞死のメカニズムの解明と神経移植による神経回路網の修復
Project/Area Number |
03454352
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Research Institution | Nagoya City University Medical School |
Principal Investigator |
永井 肇 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (00023747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 仁雄 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (60073730)
間部 英雄 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (20093073)
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Keywords | 脳虚血 / 線条体 / 移植 / 学習能 |
Research Abstract |
1)ラット全脳虚血モデルでは、線条体での細胞外グルタメート濃度が上昇し、細胞毒性に働くことが知られている。我々は、細胞毒性のある線条体部の細胞外グルタメート濃度が、脳虚血時に産生される遊離脂肪酸によりどのような影響をうけているか検討した。断頭によるラット全脳虚血モデルをフォスフォリパーゼC阻害薬で前処置すると、虚血後早期で線条体部のアラキドン酸の産生が阻害された。このモデルを用いて線条体部の細胞外液をマイクロダイアリーシス法により採取、酵素サイクリング法を用いてグルタメートの濃度を測定したところ、フォスフォリパーゼC阻害薬を投与された群では、虚血後早期(0-4分)で非投与群に比ベグルタメート濃度が低下していることがわかった。これにより、脳虚血時の脳内のアラキドン酸の上昇がさらなる細胞外グルタメートの上昇を引き起こす可能性が示唆された。2)前年度、片側中大脳動脈を閉塞したラットの線条体に定位的に胎仔線条体細胞を移植すると、受動回避学習能が回復することを報告した。今回は、水迷路試験を用いて胎仔線条体細胞移植群および非移植群を検討すると、移植群で水迷路試験でも学習能が改善されることを確認した。又、植移された胎仔線条体細胞は移植後1年という長期においても生着しており、移植1ヶ月後に認められたのと同様にオートラジオグラフィでドーパミンレセプターやGABAレセプターが発現していることが観察された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 谷村 一、永井 肇、梅村 淳: "脳虚血時の脳内アラキドン酸とglutamateとの相関" 第17回日本脳卒中学会総会抄録集. 182- (1992)
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[Publications] 相原 徳孝、水川 公直、小出 和雄、間部 英雄、永井 肇、西野 仁雄: "ラット虚血線条体梗塞巣への胎仔線条体細胞の移植による学習能の回復" 第17回日本脳卒中学会総会抄録集. 207- (1992)
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[Publications] K.Koide,H.Hagai,K.Mabe,T.Hashitani N.Aihara,H.Nishino: "Striatal cell grafts in ischemic region following intraluminal occulusion of middle cerebral aitery ameliorate cytoarchitectual,chemical and behanoral dam age(PartI)" Sewnd world congress of stroke 抄録集. S89- (1992)
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[Publications] N.Aihara K.Mizukawa K.Koide H.Mabe H.Nagai,H.Nishino: "Striatal cell grafts in ishemic region following infraluminal occulusion of middle cerebral aitery ameliorate cytoarchi cectm chenicul and behavioral damage Part2)" SECOND WORLD CONGRESS OF STROKE 抄録集. S84- (1992)
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[Publications] 相原 徳孝 小出 和雄: "神経移植と学習機能の再建" CLINICAL NEUROSCIENCE. 10. 1008-1010 (1992)