1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454355
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉川 靖三 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (00010067)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天貝 均 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (70193018)
大野 敦也 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50107645)
|
Keywords | 骨粗鬆症 / ビーグル犬骨粗鬆症モデル / 骨組織形態計測 / single photon absorptiometry / 骨芽細胞機能 / 石灰化 / 基質産生 / 閉経周辺期 |
Research Abstract |
閉経の骨に与える影響を閉経後骨粗鬆症の動物モデルより組織計測学的に解明し、ヒトでの組織形態学的変化を解明することを目的とした本研究では以下の研究予定を終了してほぼ当初の目的を達成することができた。 1)両側卵巣摘出による雌ビーグル犬の閉経後骨粗鬆症モデルの作製と腸骨および肋骨の採取、 2)実験モデルとヒトの骨組織形態計測、 3)single photon absorptiometryによる骨密度の測定 結果1)ビーグル犬での卵巣摘出実験によれぱ、卵摘後の骨動態は当施設で得たヒトの閉経後の骨変化と本質的には同一であるようにおもわれたが、卵摘直後に骨芽細胞機能、とくに基質の産生障害が起きる時期が在ることが示唆された。ヒトにおける骨組織形態計測の結果では、閉経周辺期の骨芽細胞機能の障害は基質の産生のみならず石灰化においても認められた。このような変化は女性のみに認められ男性には認められなかった。 2)閉経後は石灰化や基質産生に障害は認められず、閉経周辺期よりも多く青年期に近い状態であった。したがって骨量の減少は閉経周辺期に多く閉経後は安定していると考えられ、骨組織形態計測によっても同じ結果が得られた。 3)骨粗鬆症の患者群でも、男性は極めて小数であることや初発症状は閉経周辺期に出現すること、治療によっても骨量の増加はほとんど見られないことなどから、発症原因は閉経周辺期前の骨量の多少、閉経周辺期の骨芽細胞機能障害による骨減少、閉経後の骨芽細胞の機能回復の障害などが考えられる。 上記の結果について1991年第11回日本骨形態計測学会、1992年第XI回International Conference on Calcium Regulating Hormones(Florence、Ialy)、1992年第1回日本骨粗鬆症研究会で発表し、一部では既に「特発性骨粗鬆症2例の骨形態計測」日本骨形態計測学会雑誌Vol2、p125-129、1992として発表、他は投稿中である。
|
Research Products
(1 results)