1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454358
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
井手 隆俊 山梨医科大学, 医学部, 講師 (60159853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雨宮 毅 山梨医科大学, 医学部, 助手 (40231998)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 骨伝導音検査 / 骨密度 / 骨の振動特性 / インパルス応答法 |
Research Abstract |
ヒトとの同程度の材料特性を有するハイドロオキシアパタイトセラミック製の椎体モデルを用いて骨粗鬆の程度、圧迫骨折の有無、骨棘形成の有無など様々な状態の振動特性に関する基礎的研究を行なった。医用セラミックメ-カ-の協力を得て、気孔率20%(高密度),40%(中密度),60%(低密度)のハイドロオキシアパタイト円柱状立方体ブロック(18×30×12mm)を3個ずつ作成した。アパタイトブロック3個を連結し、これを脊椎椎体とみなし、その一端に振動を与え、他端に取り付けた計測用マイクフォンにより振動を受波して周波数分析を行なった。各々の気孔率のアパタイトブロック3個を連結したモデルに対して、振動特性の計測を合計150回行ない、その平均値を求めた。その結果、気孔率20%のアパイトブロック3個のモデルでは、周波数の最大の山、すなわちピ-ク周波数は平均5910Hzであった。また気孔率40%では4400Hz、60%では3260Hzであり、アパタイトブロック密度が低下するにしたがって、ピ-ク周波数も低下することが分った。また各ブロックのピ-ク周波数の比率は約6:4:3であり、アパタイトブロック密度の比率(2:4:6)と逆相関を認めた。このように気孔率の差異により明らかにその振動特性は異なり、脊椎の骨粗鬆化にともなう音響学的診断法の実験用モデルとして有用なことが分った。 これらの成果は1992年度日本整形科貝学会基礎学術総会で発表予定である。また臨床例において本法による診断を試み、X線像における骨粗鬆化の程度を分類した慈大分類との比較検討を行なった。そして音響診断法による周波数分析結果は慈大分類による骨粗鬆化の程度と明らかな相関を見た。これらの結果は第64回日本整形外科学会総会で発表した。
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