1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454361
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
米延 策雄 大阪大学, 医学部, 講師 (50127320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 啓郎 大阪大学, 医学部, 教授 (70028330)
高岡 邦夫 大阪大学, 医学部, 助教授 (30112048)
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Keywords | 骨形成因子 / 脊柱 / 靭帯 / 骨化 / 病因 / 実験モデル / 脊髄 / 病理 |
Research Abstract |
骨形成因子(Bone Morphogenetic Protein)を実験動物(マウス)の腰椎硬膜外腔に投与し、黄色靭帯骨化症の疾患モデル動物の作成を試みた。この疾患モデル動物の黄色靭帯を放射線学的・組織学的手法を用して経時的に観察した。その結果以下に記す知見が新たに得られた。1.マウスの黄色靭帯内にある線維芽細胞は骨形成因子に反応して増殖し、軟骨細胞・骨芽細胞へと分化した。すなわち黄色靭帯は肥厚し、次いで骨化することが明らかとなった。2.この黄色靭帯の骨化症は経時的に徐々に増大し、近接する脊髄を圧迫して脊髄に病理組織学的な変化をもたらすことが明らかになった。3.この疾患モデル動物の黄色靭帯および脊髄に生じた病理組織学的な変化はヒトの黄色靭帯骨化症の病理組織像と類似したものであった。このことは、疾患モデルとしての妥当性を示すものであると同時に、ヒトの脊柱靭帯骨化疾の病因に骨形成因子が関与していることを示唆するものであった。 研究計画は疾患モデルを用いての脊柱靭帯骨化症の解析であるが、この疾患モデルとヒトの臨床例との対比が必要である。そこで、臨床例の脊柱靭帯骨化部の病理組織標本をもとに、骨化部における細胞増殖因子や細胞外基質の局存を免疫組織化学的手法を用いて検討した。その結果、AgNOR(Argyrophilic Nucleolar Organizer Region)染色にて黄色靭帯内で増殖の旺盛な細胞は、血管周囲の線維芽細胞であることが明らかとなり、また、骨化部の一部の線維芽細胞や軟骨細胞には、Transforming growth facto-βなどの細胞増殖因子や、Fibronectinなどの細胞外基質が局在することが明らかになった。また、脊柱靭帯骨化症患者では血漿中のFibronectinが高値であることが明らかとなった。Fibronectinは、線維芽細胞の増殖因子であり、また、骨・軟骨形成にも重要な役割をはたしていることが知られている。
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[Publications] Shimpei Miyamoto,et al.: "Ossification of the ligamentum fravum induced by bone morphogenetic Protein." Journal of Bone and Joint surgery. 74-B. 279-283 (1992)
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[Publications] Shimpei Miyamoto,et al.: "Experimental cervical spondylosis in the mouse." Spine. 16. S495-S500 (1991)
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[Publications] Kozo Okada,et al.: "Thoracic myelopathy caused by ossification of the ligamentum flavum." Spine. 16. 280-287 (1991)
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[Publications] 藤原 桂樹 他: "頸椎後縦靭帯骨化症" 脊椎脊髄ジャーナル. 4. 439-442 (1991)
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[Publications] 宮本 紳平 他: "黄色靭帯骨化症の病理" 脊椎脊髄ジャーナル. 4. 523-526 (1991)
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[Publications] 宮本 紳平 他: "骨形成因子(Bone Morphogenetic Protein:BMP)を用いた黄色靭帯骨化症モデル" 脊椎脊髄ジャーナル. 4. 611-614 (1991)