1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454363
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
水野 耕作 神戸大学, 医学部, 教授 (90030981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 司 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (80192342)
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Keywords | Fracture hematoma / Transforming Growth Factor-beta / Type I collagen / Hydroxy apatite / Basic Fibroblast Growth Factor / Agar gel |
Research Abstract |
1、従来と同じ方法で、動物の実験的骨折を作製し、骨折後4日目に血腫を摘出した。この細胞成分を組織培養により増殖させた。この培養細胞をTGF-βで刺激することによりアルカリフォスファターゼ染色で陽性を呈する細胞が観察された。またType-1コラーゲン染色にても陽性を呈していた。これらはTGF-βの濃度による影響を受けなかった。しかしType-2コラーゲン染色では陽性細胞は見られなかった。このことは血腫細胞の分化がTGF-βの制御を受けている可能性を示唆している。 2、各種濃度のTGF-β、bFGFをハイドロキシエチルメタクリレートと混在し、ペレットを作成した。これをハイドロキシアパタイトカプセルに封入し、家兎の脛骨に、カプセルと同径の小孔を穿ち埋めこんだ。移植後2週間にて脛骨を採取し、組織学的に観察すると、コントロールの細胞増殖因子を含まないペレットのみの移植ではカプセルのpore内に骨形成をみるのみであった。しかし、細胞増殖因子を含んだペレットの移植では、カプセル内腔と内壁との境界面に新生骨形成を示し、TGF-βにおいて、より著明な骨形成が観察された。この骨形成の様式は、ハイドロキシアパタイトのpore内のみならず、カプセル内腔へと向かう形態をとっており、これは凍結乾燥血腫の移植時と同様のものであった。 3、ラット血腫培養細胞をアガロースゲル内で培養し、これを細胞増殖因子で刺激した。この時、血腫培養細胞は集簇化を示し、これらの細胞基質はトルイジンブルーで異染色性を示し、軟骨へ分化しうる細胞の存在が確認された。
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