1992 Fiscal Year Annual Research Report
骨内非コラーゲン蛋白を指標にした骨粗鬆症の診断への応用と骨内成長因子の効果
Project/Area Number |
03454367
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
松山 敏勝 札幌医科大学, 医学部, 助手 (20190548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
賀来 亨 東日本学園大学, 歯学部, 教授
森 道夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00045288)
石井 清一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20001000)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 診断法 / 骨内成長因子 |
Research Abstract |
骨粗鬆症の発症のメカニズムを組織・細胞レベルで解明するとともに、骨粗鬆症の診断としての放射線学的、病理学的に応用することを目的とした。本年度の主たる成果は次の通りである。 1.平成3年度に確立したヒト骨組織よりの倍養細胞株の樹立法を用いて、ヒト骨細胞株を分離し、SV40によるトランスフェクションに成功した。得られた細胞株は1.25VD_3によりALP形質、BGP産生が亢進し、骨形成細胞としての形質をよく保持していた。さらに、in vitroでの石灰化機構と、各種成長因子の効果を検討したところTGF β_1、BMP-IIにより石灰化が促進することを認めた。 2.BGP、Osteonectionの精製、抗体の作製に成功した。組織内局在として骨芽細胞・骨細胞の細胞質以外の類骨基質に存在を認め、コラーゲン線維上での石灰化に関与していることを組織学的に証明した。 3.各種骨代謝疾患や骨形成性腫瘍の病理標本でBGP、Osteonectionの組織様式を検討した所、骨形成性腫瘍と石灰化軟骨形成性腫瘍疾患との鑑別が可能であることを明らかにした。 4.さらに各種骨代謝疾患で骨粗鬆症の重症度を定量的に骨塩量測定に基づいて行った。その結果、骨塩減少は疾患によって部位別傾向が異なり、部位別で骨塩量の測定を行うことにより骨粗鬆症の病態の解明が可能であることを認めた。現在は、それぞれの疾患ごとの血液、生化学データとの相関性を解析中である。さらに、同一患者での治療経過での経時変化を測定して、治療効果評価の可能性を検討している。
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[Publications] 松山 敏勝: "我々の骨粗鬆症専門外来の1年のまとめ" 北海道整形災害外科雑誌. 36. 41-46 (1992)
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[Publications] 大寺 浩造: "女性腰痛患者における各種骨塩定量法による腰椎骨塩量についての研究" 北海道整形災害外科雑誌. 36. 33-39 (1992)
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[Publications] 宮嶋 俊定: "硬組織骨標本での硬度測定時における各種影響因子についての検討" 硬組織研究技術談話会誌. 1. 3-4 (1992)
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[Publications] Takada,J.: "Usefulness of a Novel monoclonal antibody against human osteocalcin in immunohistochemical diagnosis." Virchows Archiv A.Pathol.Anat.420. 507-511 (1992)
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[Publications] 松山 敏勝: "腰椎骨塩量の測定に対する各種骨塩定量法の比較ー測定精度と測定法間の相関性を中心にー" 整形外科. 43. 1727-1731 (1992)