1992 Fiscal Year Annual Research Report
硬膜外へのフェンタニールを始めとするオピオイド投与による新しい麻酔法の検討
Project/Area Number |
03454372
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
熊澤 光生 山梨医科大学, 医学部, 教授 (10092404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久米 正記 山梨医科大学, 医学部, 助手 (50205176)
田中 行夫 山梨医科大学, 医学部, 講師 (40155180)
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Keywords | 硬膜外大量フェンタニール麻酔 / 血中カテコラミン |
Research Abstract |
胃亜全摘術を予定されたASA-Iの男性14名を硬膜外リドカイン投与群(L群)とフェンタニール投与群(F群)の2群に7名づつ分けた。麻酔導入後循環動態が安定した時点で硬膜外カテーテルよりL群は、1%リドカイン10ml、F群は、フェンタニール10μg・kg^<-1>を注入した。循環動態として心拍数、血圧、中心静脈圧、心拍出量、全身血管抵抗を、血中カテコラミンとしてエピネフリン、ノルエピネフリン、さらに血中コーチゾール、ヒスタミンを入室時、麻酔導入後硬膜外注入前、硬膜外注入後15分、30分、45分、60分、90分、120分に測定した。 <結果>血中エピネフリンは、両群ともに麻酔導入前後で平均32ng/1から44ng/1と上昇したが有意差を認めなかった。L群は、硬膜外注入後15分、30分値で注入前に比較し有意な減少を認めた。また注入後90分、120分値で投与前に比較し有意な上昇を認めた。血中ノルエピネフリンは、両群とも麻酔導入前後で平均162ng/1から320ng/1と有意に上昇した。硬膜外注入後L群、F群ともに注入後60分値まで注入前と比較し有意差を認めなかった。平均血圧、脈拍、全身血管抵抗は、L群で注入後15分、30分値で有意に低下した。血中コーチゾール、ヒスタミンとも麻酔導入前後、注入前後で両群とも有意差はなかった。 <考案>L群は、血圧、脈拍、全身血管抵抗を有意に減少させ、血中エピネフリン濃度も有意に低下させた。F群は、L群に比較し循環抑制も軽度であった。血中エピネフリン濃度は、L群程には低下、抑制を認めなかったもののその抑制作用は、L群よりも長時間作用した。また血中ヒスタミン濃度は、両群ともに注入前後を通して有意な変動を認めずフェンタニール投与が起因となるヒスタミン遊離による循環動態の変動に影響を与えなかったと思われた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 熊澤 光生: "硬膜外大量フェンタニール麻酔の検討ー腹部手術の麻酔への応用ー" 麻酔. 39. 544-553 (1990)
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[Publications] 松川 隆: "硬膜外大量フェンタニール麻酔の検討ー胸部手術の麻酔への応用ー" 麻酔. 40. 1760-1765 (1991)
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[Publications] 野中 明彦: "硬膜外大量フェンタニール麻酔の検討ー血中濃度と臨床経過ー" 麻酔. 41. 43-48 (1992)