1991 Fiscal Year Annual Research Report
培養システムを用いた着床機序の研究ー不妊症への応用ー
Project/Area Number |
03454394
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
富永 敏朗 福井医科大学, 医学部, 教授 (10026908)
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Keywords | 不妊娠 / 着床 / In vitro / 培養 / 子宮内膜 / 細胞外成分 |
Research Abstract |
本年度は手術により摘出された子宮組織を細胞外成分(コラ-ゲン、ヒイブロネクチン、ラミニン等)の抗体を持ちいて染色し、正常子宮内膜の月経周期に依存した細胞外成分の発現の変化を明かにした。この結果より培養条件下で完全な子宮内膜再構成が可能になり、以下の新しい知見が得られた。 1)子宮内膜に存在するコラ-ゲンは月経周期とともに周期的な変化を示し、着床準備状態を築き上げることが明かになった。着床期は内膜上皮下層の基底膜成分にIV型、V型コラ-ゲンが染色されラミニンとともに着床初期の初期胚接着の重要な因子になるものと思われた。 2)不妊症患者の治療前周期の内膜を患者の了解を得てバイオプシ-し採取し体外で培養した。その後治療周期まで培養を継続し、治療周期に実際の患者血清を用いて培養した。その結果着床にとって効果的な内膜像とは、腺管開口部が均等に配列すること、腺管の占める割合が一定程度以下であること、腺管開口部の面績もまた着床現象に関与していることが判明した。 3)着床期に働くステロイドホルモンの検討では、黄体期のプロゲステロンは内膜上皮の形態、機能発現に重要であること以外にも、内膜間質とも相互作用し、腺管の間質内に占める割合を制抑していることが判明した。 以上の結果より我々が開発した子宮内膜培養システムは着床初期の初期胚一内膜相互作用解明のための基礎的な実験システムとして、また妊娠初期の着床の維持機構の優れた研究手段になるものと思われる。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Negami,A.I.et al: "Experimental implantation model in vitro." J.Clin.Electron Microscopy. 23. 890-891 (1990)
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[Publications] 根上 晃他: "着床モデルとその応用" 産婦の世界. 43. 9-16 (1991)
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[Publications] 根上 晃他: "家兎受精卵着床のメカニズム" 哺乳動物卵子学会誌. 8. 77-78 (1991)
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[Publications] Negami,A.I.et al.: "Effects of prolactin on cultured human endometrial cells." Horm.Res.35. 50-57 (1991)
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[Publications] 富永 敏朗他: "不育症とは" 臨婦産. 45. 9-11 (1991)
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[Publications] 竹内 譲他: "ハイリスク妊娠" 周産期医学. 21. 684-686 (1991)
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[Publications] 富永 敏朗他: "「胎盤」基礎と臨床" 南江堂, 11 (1991)
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[Publications] Negami,A.I.et al.: "placenta:Basic Research for Clinical Application." Karger, 16 (1991)