1991 Fiscal Year Annual Research Report
細胞成長因子による哺乳類初期胚ー子宮内膜の相互作用の調節機構に関する研究
Project/Area Number |
03454400
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
水口 弘司 横浜市立大学, 医学部・産婦人科, 教授 (20010176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 恒男 横浜市立大学, 医学部・産婦人科, 講師 (60179497)
多賀 理吉 横浜市立大学, 医学部・産婦人科, 助教授 (00107682)
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Keywords | EGF / RTーPCR / EC細胞 / トロホブラスト / 着床 / 胚発育 |
Research Abstract |
本研究では、妊娠成立機序を成長因子の側面から解析することを主根としている。本年度では、初期胚における成長因子の産生および胚ー子宮内膜の相互作用の面からアプロ-チした。 まず、マウス初期胚からRNAを抽出してEGF遺伝子の発現を扶付した。初期胚におけるRNAは極めて微量と考えられたため.RTーPCRを応用したところ.EGFの遺伝子発現が認められた。さらに初期胚における成長因子の産生量も極めて微量で解析が難しいと考えられたため、初期胚細胞に生物学的に類似した性格を有するembrional rucrcivovn(EC)細胞の1つであるPAー1細胞を用いたところ、その接庄上清中にEGF活性のあることがradioimmuroassayおよびbioassayにより証明された。 次いで、マウス子宮内膜上皮細胞を単層培養し、この上にマウスblastocystを共培養した結果、トロホブラストのoutgrowthが促進された。一方マウス61astocystをCulture plate上で培養し、EGFを添加したところトカホブラストのowtgrouthが促進された。以上から、子宮内膜に存在するEGFが、胚に作用してトロホブラストの発育・着床をcontrolしていることが示唆された。 以上、本年度はEGFの作用について知見が得られた。現在、TGFα,ActivinーAなどの他の成長因子や、EGF受容体についても検討中であるが、結論に至るような知見には至っていない。
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[Publications] 多賀 理吉: "胚発生および着床現象における細胞成長因子の意義に関する研究(抄録)" 日本産科婦人科学会雑誌. 44. S111-S112 (1992)
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[Publications] 木田 博勝,多賀 理吉,水口 弘司,花園 誠,日部下 守昭,坂倉 照好: "マウス妊娠初期子宮におけるテネイシンの発現(抄録)" 日本産科婦人科学会雑誌. 44. S234-S234 (1992)
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[Publications] 榊原 秀也,佐治 正彦,多賀 理吉,水口 弘司: "ヒト子宮内膜の脱落膜化過程におけるEGFの遺伝子発現(抄録)" 日本産科婦人科学会雑誌. 44. S238-S238 (1992)
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[Publications] 茂田 博行,多賀 理吉,水口 弘司: "PAー1細胞(human teratocarcinoma cell line)におけるEGFの作用機構(抄録)" 日本産科婦人科学会雑誌. 44. S247-S247 (1992)