1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454406
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小宗 静男 九州大学, 医学部, 助教授 (10117434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 尚志 九州大学, 医学部, 医員
君付 隆 九州大学, 医学部, 助手 (50240908)
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Keywords | イオンチャンネル / パッチクランプ法 / 蝸牛 / 有毛細胞 / 神経節細胞 / 耳毒性薬剤 |
Research Abstract |
昨年度明かとなった有毛細胞の種々のイオンチャンネルについて、特にカルシウムチャンネルについて単一電流記録を行った。パッチクランプ法のセルアタッチ法にて、電位依存性カルシウムチャンネルの単一電流記録を有毛細胞にて初めて成功した。このチャンネルは昨年度行ったホールセル電流記録で明かとなったL型カルシウムチャンネルであることが解明した。さらに単一電流記録でしか解析できない開時間、閉時間の測定、あるいはチャンネル活動のモードについて検討し、従来の報告と同種類のカルシウムチャンネルであることを確認した。個々のカルシウムチャンネルに対する耳毒性薬剤の効果については今後検討すべき課題として残された。蝸牛神経節細胞は、有毛細胞より求心性神経により情報を一次性神経として受ける。また逆に有毛細胞への遠心性の情報を与える。この二元性の役割を持つ意味で、神経伝達物質の研究をすすめる上で非常に重要な役割を担う細胞である。われわれは蝸牛神経節細胞について、電位依存性チャンネルの記録に成功した。ナトリウム電流、カルシウム電流、カリウム電流が存在することが明らかになり、特にカルシウム電流については、Ba^<2+>よりもCa^<2+>透過性が高いという新知見を得た。神経伝達を行う引金となる機械刺激を電気信号に変換するイオンチャンネル(METチャンネル)が有毛細胞には存在するが、その耳毒性薬剤の影響を調べた。昨年度明かとなった抗癌剤シスプラチンに加え、アミノ配糖体系抗生物質ストレプトマイシンも抑制効果をもつことが明かとなり、さらにその詳細なメカニズムについても解析を行った。アスピリンについてはMETチャンネルに対しては影響を与えないことが確認された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.KIMITSUKI: "Dihydrostreptomycin modifies adaptation and blocks the mechano-electric transduction in chick hair cells." BRAIN RESEARCH. 624. 143-150 (1993)
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[Publications] T.KIMITSUKI: "Cisplatin blocks mechano-electric transducer current in chick cochlear hair cells." HEARING RESEARCH. 71. 64-68 (1993)
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[Publications] T.KIMITSUKI: "Ototoxic drugs block the mechano-electric transduction channels in chick cochlear hair cells." PROCEEDING OF SENDAI SYMPOSIUM. (IN PRESS).
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[Publications] T.KIMITSUKI: "Single channel recordings of calcium currents in chick cochlear hair cells." ACTA OTO-LARYNGOLOGICA. (IN PRESS).