1993 Fiscal Year Annual Research Report
咽頭扁桃の加齢が上咽頭炎発症に及ぼす影響についての基礎的臨床的研究
Project/Area Number |
03454407
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
九鬼 清典 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (40169975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 啓次 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (20244725)
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Keywords | 上咽頭 / 咽頭扁桃 / アポトーシス / RT-PCR / Fas抗原 / CD40L |
Research Abstract |
平成5年度は、1.咽頭扁桃におけるTh1、Th2リンパ球の存在と加齢との関係。2.上咽頭反復感染と上咽頭上皮の扁平上皮化との関係の2点について検討することより研究を開始した。1.咽頭扁桃よりRNAを抽出し、RT-PCR法を用いてIL-2、gamma-IFN、IL-4、IL-5に対するプライマーを用いてこれらのサイトカインの発現を観察した。IL-4はよく検出されたが、IL-2、gamma-IFNは幼児においても検出されなかった。この結果より、咽頭扁桃細胞を培養して刺激しないとこれらのサイトカインの発現は非常に弱いことが推測された。そこで、最近、研究が進んできたアポトーシスに注目して、3.アポトーシスに関係するといわれているFas抗原の発現とB細胞の分化に関係するCD40のリガンドの発現と加齢との関係について検討することにした。まず、Fas抗原とCD40Lのプライマーを作成し、咽頭扁桃細胞よりRNAを抽出後、RT-PCR法にて検出することを試みた。その結果、咽頭扁桃細胞でこれらが発現していることを確認した。現在のところ、検索数が少ないが、5才以下の幼児の咽頭扁桃細胞のほうが10才以上の小児よりFas抗原の発現が強いことがわかっている。今後、検索数を増やしたいと考えている。また、組織切片上においてもIN SITE END-LABELLING法を用いてFas抗原の検索を行う予定である。 2.に関しては、咽頭扁桃上皮をHE染色にて調べ、免疫組織学的にSecretary Componentを検索した。扁平上皮化生は年齢には関係せず、単純肥大に比べて、滲出性中耳炎症例で多いことが明らかとなった。また、この部分ではSecretary Componentの産生が低下している所見を得た。
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