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1992 Fiscal Year Annual Research Report

癒着性中耳炎の後遺症(真珠腫ならびに感音難聴)の成立機転に関する研究

Research Project

Project/Area Number 03454409
Research InstitutionTHE JIKEI UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE

Principal Investigator

森山 寛  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60125036)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 荒井 秀一  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70193042)
関 哲郎  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50196945)
矢部 武  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00221648)
上出 洋介  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10177579)
真崎 正美  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80147355)
Keywords癒着性中耳炎 / 真珠腫 / 感音難聴 / 光顕的観察 / 電顕的観察
Research Abstract

過去に手術した16歳以上の癒着性中耳炎72例について、骨導聴力値を慢性中耳炎や正常者と比較したところ、全周波数において骨導値の低下が認められた。とくに2KHZ以上の高音部において聴力低下が著しいことから、内耳窓窩における長期にわたる炎症(肉芽組織や黄褐色貯留液の存在)が内耳窓膜を介して蝸牛に波及する(とくに基底部に近い部位)可能性が示唆された。また癒着鼓膜の上皮下を組織学的に検討したところ次の4つのタイプに大きく分類された。1)炎症性肉芽型;鼓膜の著しい肥厚と炎症細胞浸潤および弾性線維の増生を伴う線維性肉芽増殖、2)瘢痕組織型;線維芽細胞の増殖と弾性線維の増加を伴う、不規則な膠原線維の増生、3)硝子様変性;膠原線維の崩壊、消失ならびに硝子様変性による無定型基質の沈着、4)混在型;これらの組織的変化が混在して認められるもの。また表皮は数層の細胞からなる薄い表皮をしめすものから、基底細胞の増殖が旺盛で厚い表皮を示す例までいろいろあるが、一般的には上皮下の炎症の存在と密接な関係がある。また表皮層の肥厚と角化亢進が見られた例では癒着鼓膜内に埋没した表皮層の破片が極性を逆転して増殖している所見が見られ、真珠腫への移行の可能性が示唆された。表皮下の4つの組織学的所見に於ても、硝子様変性のタイプは炎症の終末像で安定した状態といえるが、線維芽細胞を主体とした瘢痕線維型は感染などにより容易に炎症細胞浸潤を主体とした炎症肉芽型に変わりうる可能性があり、癒着性中耳炎はすべて安定した病態ではなく、感染などの周囲環境の変化により真珠腫などに進展するポテンシャルを内在している病態であるといえる。また内耳窓窩の病変の長期間にわたる存在は感音難聴発現の可能性を示唆している。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] 森山 寛、他: "癒着性中耳炎より緊張部型真珠腫への移行型(前真珠腫)について" 耳鼻咽喉科展望. 34. 39-45 (1991)

  • [Publications] 森山 寛、他: "癒着性中耳炎の病態" 耳鼻咽喉科展望. 34. 185-193 (1991)

URL: 

Published: 1994-03-23   Modified: 2016-04-21  

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