1992 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性網膜症に対する薬物治療の効果に関する画像処理技術を用いた研究
Project/Area Number |
03454419
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松井 瑞夫 日本大学, 医学部, 教授 (50058913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 賢一郎 日本大学, 医学部, 助手
川村 昭之 日本大学, 医学部, 助手 (90214692)
島田 宏之 日本大学, 医学部, 講師 (40162680)
佐藤 幸裕 日本大学, 医学部, 講師
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Keywords | 糖尿病性網膜症 / 画像処理 / 蛍光眼底造影 / 毛細血管瘤 / レーザーフレアーメーター / 前増殖性網膜症 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、糖尿病網膜症に対する薬物療法の効果判定に利用できるパラメーターを求め、蛍光眼底造影像の画像処理と並んで、血液ー房水関門の機能を反映する前房フレアー値について研究を行った。 1.軽症網膜症症例の蛍光眼底造影像を、computorを用いた画像処理を行なう研究は、黄斑周囲の毛細血管網を対象に行った。その結果は以下の通りである。 1)撮影時の照明の不適切などによる質の悪い写真でも、鮮明な映像に処置でき、治療という時系列のなかで、再検査ができないということを考えると、非常に有効な方法である。 2)黄斑周囲に認める毛細血管瘤が画像処理により、より握え易くなるか検討し、画像処理によって、毛細血管瘤様の所見になったものをpossible microaneurysmとして分析を行った。その結果、possible microaneurysmには1.眞のより初期の毛細血管瘤が明瞭になったもの 2.noiseが毛細血管瘤様の所見としてとらえられるもの 3.背景の色素上皮の造影所見のうちに、毛細血管瘤として認められるものがあることが判明した。 2.糖尿病網膜症の前房フレアー値については、血液-房水関門の機能が糖尿病で障害され、網膜症の病期と関係があることがすでに知られている。しかし判定法のバラツキ等を考慮し、当科における評準値を求める意味で、非増殖性、軽症前増殖性、中等前増殖性、重症前増殖性、増殖性と網膜症を分類しフレアー値を測定したところ、非増殖性、軽症前増殖性、重症前増殖性、増殖性との間に差がなく、前増殖性の3型の間に有意差があることが判明し、前房フレアー値と網膜症の病期との間に有意の相関があることを証明することができた。なお、ARI剤を投与し、長期間にわたってフレアー値の測定を行っている症例があるが、現在研究を続行中である。
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[Publications] 松井 瑞夫: "糖尿病の治療:糖尿病網膜症" 医学と薬学. 26. 231-236 (1991)
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[Publications] 松井 瑞夫: "糖尿病性網膜症:眼科側から" 東京都医師会誌. 43. 11-16 (1991)
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[Publications] 松井 瑞夫: "最新薬物療法Mannual-投薬の基本と治療プログラム" 日本臨床1991増刊. 下巻. 1200-1206 (1991)
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[Publications] 阿部 貴美 他: "糖尿病網膜症に対する光凝固の前房フレア値に及ぼす影響" 臨床眼科.
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[Publications] 高橋 賢一郎: "糖尿病網膜症蛍光眼底造影写真の画像処理" 眼微小循環研究会.