1992 Fiscal Year Annual Research Report
歯根膜感覚受容機構解明の形態学的アプローチ:免疫組織允学的、電子顕微鏡的研究
Project/Area Number |
03454421
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
前田 健康 新潟大学, 歯学部, 助教授 (40183941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 修 新潟大学, 歯学部, 助手 (80202092)
高野 吉郎 新潟大学, 歯学部, 教授 (90126425)
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Keywords | ルフィニ神経終末 / 歯根膜 / 神経支配 / チトクロームオキシダーゼ / 酸性ホスホターゼ / 酵素組織化学 / PGP9.5 |
Research Abstract |
1.歯根膜Ruffini神経終末の酵素組織化学的特徴 酸化還元酵素の一つであるチトクロームオキシダーゼ活性の検出を脱灰切片上で試みた。この酵素染色法により、歯根膜Ruffini神経終末の軸索終末は特異的に染色された。電顕下ではほとんどのミトコンドリアがチトクロームオキシダーゼ陽性を示し、咬合力に対して常に応答する必要性から多大なエネルギー供給を必要とするためと考えられた。 光線顕微鏡的に歯根膜には骨芽細胞、線維芽細胞が酸性ホスホターゼ活性陽性を示すことが知られているが、これらの細胞に加え、酸性ホスホターゼ活性の検出を試みると、円形を呈する細胞が強い酸性ホスホターゼ活性を示した。また、S-100蛋白との2重染色によりこの細胞がRuffini神経終末に付随する終末シュワン細胞と同定された。電顕的にはゴルジ装置及びライソゾームに酵素活性が局在し、終末シュワン細胞の活発な蛋白合成にこの酵素が関与していることが明らかとなった。 2.歯根膜Ruffini神経終末の発生学的研究 歯根膜Ruffini神経終末の発生についてPGP9.5の免疫組織化学を用いて検討を加えた。出生時に既に歯根膜にはPGP陽性を示す神経線維が存在していたが、成体でみられるような機械受容装置は認められず、樹枝状に分岐する神経終末のみ観察された。臼歯が機能的咬合を開始する時期になると典型的なRuffini神経終末が出現し始め、経時的にその数を増していった。Ruffini神経終末の成熟に歯の萌出、咬合による機能刺激が密接に関わる可能性が強く示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] O.Sato et al.: "Innervation of the periodontal ligament in the dog with special reference to the morphology of Ruffini endings." Arch.Histol.Cytol.55. 21-30 (1992)
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[Publications] N.Kamasaki et al.: "Nerve terminals immunoreactive to neurofilament protein (NFP) in the periodontal ligament of rat molars." Jpn.J.Oral.Biol.34. 239-243 (1992)
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[Publications] 澤田 雅仁ほか: "インプラント周囲組織の経時的変化ー特に神経線維の動態についてー" 日本補綴学会誌. 37. 144-158 (1993)
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[Publications] T.Maeda et al.: "Cytochrome oxidase activity as a marker for periodontal sensory receptors." Archs.Oral Biol.(1993)
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[Publications] T.Maeda et al.: "Histochemical demonstration of acid phosphatase activity in periodontal Ruffini endings in rat incisors." Archs.Oral Biol.(1993)
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[Publications] T.Maeda et al.: "Biological mechnaism of tooth movement and craniofacial adaptation." Ebsco media, Birmingham, AL, U.S.A., 601 (1992)
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[Publications] 前田 健康ほか: "生理的咬合へのアプローチ" 医歯薬出版、東京, 235 (1992)