1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454428
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
加藤 幸夫 広島大学, 歯学部, 教授 (10112062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅田 彬 大阪大学, 歯学部, 講師 (50028734)
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Keywords | 石灰化 / 軟骨細胞 / 甲状腺ホルモン / プロテオグリカン / コラ-ゲン |
Research Abstract |
ウサギ成長板軟骨細胞培養系を用いて、基質形成と石灰化との関係を検討した。 1 betaーxylosideは軟骨プロテオグリカンの産生と蓄積を1/10に抑制した。しかしCaの蓄積と基質への ^<45>Caの取り込みに影響しなかった。この結果は、成長板軟骨細胞での石灰化にはプロテオグリカンが必須ではないことを示唆している。一方、永久軟骨細胞培養系で、ConAを用いて石灰化を誘導した実験では、betaーxylosideは石灰化を完全に抑制した。したがって、永久軟骨から成長軟骨細胞への変換にはプロテオグリカンが必要であることが初めて明らかとなった。 2 一方、collagenaseにて基質のコラ-ゲンを選択的に分解するかvitaminCを培地から除くことによりコラ-ゲンの蓄積を抑制すると石灰化が抑制された。この結果は、コラ-ゲンは石灰化に必須であることを示している。 3 甲状腺機能低下ラットおよび軟骨細胞培養系を用いた実験より、T3が軟骨のリモデリングと内軟骨骨形成過程での軟骨プロテオグリカン基質の分解に必須であることが判明した。 4 現在、石灰化期に特異的に出現する蛋白の性質についてさらに検討を進めている。 5 フェリエ変換赤外吸収パタ-ンの解析より、本研究で用いた軟骨細胞培養系での石灰化がIN VIVOの軟骨石灰化と同様にハイドロキシアパタイトの形成に至るものであることを証明した。
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[Publications] 加藤 幸夫: "軟骨細胞におけるcyclic AMPの役割" 組織培養. 174. 116-119 (1991)
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[Publications] 加藤 幸夫: "組織修復と感染における繊維芽細胞増殖因子(FGF)の役割" 感染・炎症・免疫. 213. 157-163 (1991)
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[Publications] 加藤 幸夫: "生体材料としての成長因子と細胞外基質" 生体材料. 94. 193-199 (1991)
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[Publications] 島津 篤: "軟骨細胞培養系における副甲状腺ホルモンによるインスリン様成長因子の産生促進" 日本骨代謝学会雑誌. 91. 37-42 (1991)
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[Publications] 加藤 幸夫: "軟骨形成促進因子としてのFGF" 実験医学. 101. 60-66 (1992)
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[Publications] Shimazu,A.: "Effects of hyaluronic acid on the release of proteoglycan from the cell layer of rabbit chondrocytes in culture." Seminars in arthritis. (1992)
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[Publications] Eds,Drs,A.D.Dixon: "Fundamentals of bone growth." CRC Press, (1991)
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[Publications] 加藤 幸夫: "細胞とバイオサイエンス" 朝倉書店, (1991)