1992 Fiscal Year Annual Research Report
白血球膜糖蛋白質変異による歯周病の遺伝子診断の研究
Project/Area Number |
03454441
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
村山 洋二 岡山大学, 歯学部, 教授 (50029972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 慶壮 岡山大学, 歯学部・附属病院, 助手 (70243475)
磯島 修 岡山大学, 歯学部, 助手 (90176256)
清水 秀樹 岡山大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70170983)
栗原 英見 岡山大学, 歯学部, 助教授 (40161765)
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Keywords | 白血球膜糖蛋白 / DNA変異 / 遺伝子診断 / 歯周病 |
Research Abstract |
白血球表層の接着分子であるLFA-1familyの発現が歯周病の発症と進行に関わる機序を推察することを目的として、白血球粘着異常症(LAD)を有する前思春期性歯周炎患者2名(PP1およびPP2)、LFA-1familyの発現異常を認めるが限局型若年性歯周炎(LJP)のみを発症している患者1名(LJP1)、LFA-1familyの発現に異常がないLTP患者1名とPP患者1名および健常者2名のB細胞株について、細胞凝集に関わる細胞生物学的性状ならびにLFA-1familyβ鎖のmRNAレベルにおける変異を調べた。mRNA解析には、B細胞株から得た全RNAを用いてノーザンブロット法、reverse,transcription-polymerase chain reaction(RT-PCR)法およびRNase cleavage法を応用した。B細胞凝集能において、LJP1由来のB細胞はPMA刺激時他のLJP患者および健常者由来の細胞に比較して小さいクラスターを多数形成し、細胞凝集の様態を異にした。PP1とPP2由来のB細胞は細胞凝集態をもたなかった。ノーザンブロット法により、PP1とPP2の細胞ではLFA-1familyβ鎖mRNAに相当するバンドを約4.4kbとして検出し、その他の被験細胞では約3.2kbとして検出した。β鎖mRNAの発現量は、PP1とPP2の細胞ではその他の細胞に比較して少なかった。RT-PCR法により、すべての被験細胞のLFA-lfamilyβ鎖mRNAからβ鎖cDNA塩基配列上の73ntから1191ntの領域を増幅することができた。PP1とPP2の細胞のmRNAからは73ntから2385ntの領域を増幅するすることはできなかった。RNase cleavage法により、PP1とPP2のmRNAにおいて965ntから1450ntの領域に遺伝子の変異が存在することを検出した。その他の被験細胞のmRNAにおいては、遺伝子変異を検出しなかった。以上の結果から、LFA-1familyの細胞膜への発現異常が歯周疾患に関わるメカニズムは多様であり、LFA-1familyβ鎖mRNAの変異のみから説明できるものではないことが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 葛城 教子: "mRNA analysis of LFA-1β subunit from an LTP patient" Japanese Association for Dental Research Abstracts of Papers in 39th Annual Meeting. 89- (1991)
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[Publications] Kyoko Katsuragi: "mRNA analysis of LFA-1β subunit from a localized juvenile periodontitis potient" Abstracts of International Conference on Periodontal Research. 55- (1992)
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[Publications] 葛城 教子: "LFA-1familyの発現異常が関わる歯周病患者由来B細胞の細胞生物学的ならびに分子生物学的研究" 岡山歯学会雑誌. 12. (1993)