1992 Fiscal Year Annual Research Report
歯科治療にともなう歯科材料粉塵の生体障害誘起の可能性の検討
Project/Area Number |
03454446
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Research Institution | TOKYO MEDICAL and DENTAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐藤 温重 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (40045985)
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Keywords | チタン合金 / アクリル樹脂 / 微粒子 / 細胞毒性 / 溶出試験 / 不定期DNA試験 |
Research Abstract |
歯科材料の鋳造、研磨などの作業中に発生する蒸気、粉塵の吸入による生体障害の可能性を明らかにするために、市販Ti合金粒子及びアクリルレジンの微粒子について細胞培養液中における溶出物の定性定量および粒子と溶出物の細胞毒性について検討した。 1)Ti合金粒子からの溶出物及び溶出液の細胞毒性・変異原性:Ti合金(Ti-6Al-4V EL1)を液体窒素中で凍結粉砕し、、約100μmの微粒子を作成し、合成培地Eagle MEM中に150mg/ml浸漬し、37℃、1,3,10週間後にEagle MEMを更新した。採取した浸漬液中の金属をTiについてはICP、その他金属については原子吸光分光光度計で測定した。1,1〜3,3〜10週間の浸漬中にTiは検出されなかった。Alはそれぞれ73.0,52.5,1.4pg/mg/日、Vは、194.3,95.3,16.8pg/mg/日の溶出を認めた。HeLa細胞を用いた細胞毒性試験及び不定期DNA合成試験で溶出液はいずれも陰性であった。マウス腹腔マクロファージを用いた粒子の毒性については、現在実験中である。 2)アクリルレジン微粒子の溶出物およびアクリルレジン微粒子の細胞毒性:メーカー指示に従ってアクリルレジン試験片(10×15×1.7mm)を作成し、メタノールに15日間浸漬し、溶出物を作成し、高速液体クロマトグラフィーによって逆相系カラムを用い、水/アセトニトリル混合液、カラム温度40℃、流量1ml/minの条件で溶出物中のメチルメタクリレート(MMA)、ベイゾィックパーオキサイド(PBO)等の定量を行った。アクリルレジン中にはMMA17.3mg/gレジン、PBO4mg/gレジン認められた。 ウサギ血球を用いたMMAの最小溶血誘起濃度は2μl/mlであった。レジン粒子の毒性については実験中である。
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Research Products
(1 results)