1992 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節の関節鏡視下円板縫合・固定術の開発に関する研究
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03454460
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Research Institution | Yamanashi Medical College |
Principal Investigator |
大西 正俊 山梨医科大学, 医学部, 教授 (50014139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大月 佳代子 山梨医科大学, 医学部, 講師 (20185325)
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Keywords | 関節鏡視下手術 / 鏡視下縫合術 / 鏡視下レーザー手術 / 鏡視下縫合針 / 関節円板整位術 / 円板後方牽引 / 顎関節鏡視法 / 顎関節内障 |
Research Abstract |
1)関節鏡視下縫合術、屍体顎関節を用いた術式の検討: 病理解剖に際し得られた日本人屍体4顎関節を対象に検討した。その結果、臨症例に於いて行っている縫合針の刺入点、刺入角度、縫合部位については特に変更なく、現行の基本術式により十分に可能であるとの結果を得た。また、円板の縫縮面積については円板と後壁間の滑膜について縫縮可能で、円板自体の下顎窩への固定は下顎窩面の広範な剥離等の操作、術後の円板の固着によりいずれも臨床上期待しうる状態にしうることが明らかとなった。 2)顎関節鏡視下縫合術用の縫合針の開発: 従来の縫合針1)の結果を踏まえた試作・開発は針本体の強度、特に材質の選択ならびに太さの改良を加えた。さらに針自体の弯曲を強、弱2種類のものとし、顎関節サイズにあう状態のものを開発し、製作した(三東医科機械(株)、東京)。 3)鏡視下縫合術の臨床応用: 顎関節症のうち最も頻度の高いIII型について検討した。Nd-YAGレーザーによる円板後方滑膜の蒸散、縫合針による縫縮の術式の結果は症状改善の有効例は92.5%の臨床成績を得た。 4)関節鏡視下縫合術の関節制動術への臨床応用に対する検討: 習慣性顎関節脱臼を対象として脱臼治癒は全例、100%の有効率であった。 5)術後経過の検討: 顎関節のCT二重造影ならびにMRIにより行った。円板縫合固定術については後方付着部、円板位の変化が、さらに、制動術では関節包の縮小により、腔の狭小化などの変化が明暸に観察され本術式の正当性を証明しうる所見を得た。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] M. OHNISHI: "Arthroscopic Laser surgery and suturing for Temporomandibular joint disorders.-technique and clinical results-" The Journal of Arthroscopic and Related Surgery. 7. 212-220 (1991)
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[Publications] 大月 佳代子: "顎関節腔形態の画像診断ー関節腔治療前後の形態変化についての検索ー" 日本口腔外科学会雑誌. 37. 210-219 (1991)
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[Publications] 大月 佳代子: "急性化膿性顎関節炎の1例ー鏡視所見および二重造影CT像の検討ー" 日本口腔外科学会雑誌. 37. 2041-2046 (1991)
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[Publications] 大西 正俊: "顎関節病変に対する関節鏡視下レーザー手術" 日本口腔外科学会雑誌. 39. 246-255 (1990)
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[Publications] 大西 正俊: "顎関節鏡視下縫合術" 日本顎関節学会雑誌. 2. 59-70 (1990)
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[Publications] M. OHNISHI: "Advance in Diagnostic and Surgical Arthroscopy of the Temporomandibular Joint" W.B.Saunders company, 177 (1992)
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[Publications] M. OHNISHI: "Arthroscopy:The Journal of Arthroscopic and Related Surgery" Arthroscopy association of North American, 250 (1993)