1992 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部悪性腫瘍の腫瘍内蛍光物質の検索と紫外線励起固有蛍光撮影による即時診断法の開発
Project/Area Number |
03454461
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
橋本 賢二 浜松医科大学, 医学部, 教授 (60094166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 善政 浜松医科大学, 医学部, 助手 (00224957)
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Keywords | 蛍光物質 / 悪性腫瘍 / 癌診断 / 頭頚部腫瘍 / 自家蛍光 |
Research Abstract |
暗視装置(ナイトビュアーC-3000)と画像改善装置を用いた紫外線励起固有蛍光撮影により、悪性腫瘍に含まれると言われる蛍光物質を利用した診断が可能と思われる。本法は、腫瘍親和性蛍光物質を利用した診断法と違い暗室の使用を必要とせず、非侵襲的で腫瘍親和性蛍光物質使用による副作用もなく即時診断も可能と考えている。本診断法を実現し、またその精度の向上を図るため、悪性腫瘍内蛍光物質を同定し、蛍光物質の至適励起波長・蛍光波長を検討し、それに合わせて紫外線励起固有蛍光撮影の至適波長の設定およびフイルターの選択をする必要がある。そこで、われわれは、本学所有の精密画像分析器(Argus-100システム 浜松ホトニクス社製)およびOptical Parametric Oscillator(OPO)レーザーを用いた癌蛍光診断器にて摘出物から凍結切片を作製し検討した所、口腔癌で励起波長410nmを用い赤色の蛍光像を観察したのに対して、健常人の口腔粘膜(舌、頬粘膜、歯肉、硬口蓋、軟口蓋、口腔底、下唇)ではほとんど蛍光を認めなかった。また、健常人の自家蛍光を検索したところ励起波長355nmでカットフィルターL39(HOYA)を用い、490〜520nmの蛍光を認めた。このように、口腔病変と正常口腔粘膜では蛍光の差が認められ、非侵襲的な蛍光診断法が可能と考えた。現在、症例を増やすとともに、病理組織型やステージの違いにより、蛍光スペクトルのパターンが変わる可能性がないかどうかについて検討中である。
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