1991 Fiscal Year Annual Research Report
癌原発巣に対する放射線効果ならびに照射と転移巣形成との関連性に関する研究
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03454462
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渕端 孟 大阪大学, 歯学部, 教授 (70028728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋田 達雄 大阪大学, 歯学部, 助手 (20156269)
古川 惣平 大阪大学, 歯学部, 助手 (80173524)
久保 和子 大阪大学, 歯学部, 講師 (60144515)
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Keywords | 線量率効果 / 粘膜反応 / 致死線量 |
Research Abstract |
最近、大阪大学病院放射線科で高線量率組織内照射装置マイクロセレクトロンが臨床に利用される様になったが、従来の低線量率照射に比べて粘膜反応の出現様相がやや異なっており、早急に至適な一回線量、分割方法、分割回数等の決定が必要である。現在までに、一回4.25Gy、1日2回、計10回を5ないし6日間に照射した場合には、粘膜反応のでかたが不十分であるが、一回線量を、事前に外部照射を行なった場合は5Gy、行なわれない場合は6Gyとすると、2週間後に従来の低線量率照射時にみらた様な反応が認められることが確認された。 以上の結果を実験的に確認するため、マウスを用い高、低2種類の線量率で全身照射を行ない線量率の効果について検討した。照射には小動物エックス線照射装置(日立)を用いたが、可及的に他の条件を一定として線量率を約1:20に設定するため、種々の条件について実験を行なう必要があり予想外の時間をついやした。最終的に高線量率群では、140kVp 4mA FSD25cm HVL4.55mmAlの条件で96.0R/minとし、低線量率群は140kVp0.2mA FSD60cm HVL5.10mmAlの条件で4.8R/minとした。実験はマウスを5群(A.無照射対照群、B.低線量率698.7rad照射群、C.高線量率394.7rad照射群、D.低線量率550rad照射群、E.高線量率550rad照射群)に分け照射、30日後の死亡率ならびに照射後の体重変化を検討した。その結果、低線量率照射の699radはLD_<100/30>に相当し、高線量率照射の395radと低線量率照射の550radはほぼ等価で、高線量率照射の550radはLD_<50/30>に相当することがわかった。 次年度は、上記の結果をふまえさらに線量率効果、分割回数、照射間隔、至適一回線量等について検討する予定である。
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