1991 Fiscal Year Annual Research Report
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03454466
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高田 和彰 広島大学, 歯学部, 教授 (30029970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 哲治 広島大学, 歯学部附属病院, 講師 (00169153)
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Keywords | LAK cells / 口腔癌 / 扁平上皮癌細胞 / 唾液腺腺癌 / 悪性黒色腫細胞 / 無血清培地 / インタ-ロイチンー2 / 免疫抑制物質 |
Research Abstract |
我々はすでにLymphokine activated Killen cell(LAKcell)誘導のための無血清培養系を確立し臨床に応用している。同培地は蛋白成分として鉄の輸送タンパクであるトランスフェリンを5Mg/mlの濃度で含むのみである。同培養系を用いることにより血清中に含まれていると考えられる免疫抑制物質を除外することが可能となった。 当科で樹立したS種類の扁平上皮癌、悪性黒色腫細胞,他科より供与された唾液腺由来腺癌細胞の無血清培養上清を採取しまずLAK細胞の増殖におよぼす影響をMTT色素の生細胞への取り込みを指標として検索した。その結果,扁平上皮癌、悪性黒色腫の培養上清中には強いLAK細胞の増殖抑制能を有することがしかし,唾液腺腺癌細胞の培養上清には抑制能がないことが明らかとなった。次に扁平上皮癌,悪性黒色腫の培養上清を熱処理(50℃30分),酸処理(pH2.0)を行いこれら上清中に含まれる抑制因子の物理化学的性質について検索を行った。その結果,扁平上皮癌細胞の培養上清中の因子は熱,酸に安定であったが,悪性黒色腫の上清は酸.熱に不安定であることが明らかとなった。さらにこれら上清を10%含む無血清培地で誘導したLAK細胞の各種癌細胞に対する細胞障害活性 ^<51>Cr遊離試験を用いて検索した結果,これら因子は増殖を抑制するのみならず,LAK細胞の細胞障害活性をも抑制することが明らかとなった。 以上本年度においては,扁平上皮癌細胞と悪性黒色腫細胞の培養上清中にはおたがいに物理化学的性質の異なる,強いLAK細胞の増殖と活性を抑制する因子が存在していることを明らかにした。次年度においてはさらに,これらの因子の精製を行う予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 谷 亮治: "無血清培地を用いたLymphokine activated Killen細胞の誘導" 日本口腔外科学会雑誌. 37. 779-787 (1991)
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[Publications] 古江 美保: "口腔領域悪性腫瘍組織における上皮成長因子受容体(Epidermal growth factor recepton)の発現" 日本口腔外科学会雑誌. 37. 937-943 (1991)
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[Publications] 尾崎 輝彦: "口腔由来正常上皮細胞および口腔癌細胞の無血清下での増殖に及ぼすEGF,FGFの影響ならびにこれら細胞における受容体解析" 日本口腔外科学会雑誌. 37. 1454-1465 (1991)
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[Publications] 岡本 哲治: "ガンの免疫療法の新しい展開ーLympho kine activated killen(LAK)細胞およびtumor inbiltrating lymphocyte(TIL)を用いた養子免疫療法" 広島大学歯学雑誌. 23. 360-361 (1991)