1991 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト下顎骨骨肉腫細胞株のin vitro培養系における分化ー石灰化機構についてー
Project/Area Number |
03454470
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉川 博政 九州大学, 歯学部, 助手 (00220608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 英雄 九州大学, 歯学部, 教授 (20037500)
大石 正道 九州大学, 歯学部, 助教授 (70037505)
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Keywords | 骨肉腫 / 骨芽細胞 / 培養細胞 |
Research Abstract |
骨代謝における骨芽細胞の機能を検索することを目的として、36歳男性の下顎骨に発生した骨肉腫から株化腫瘍細胞を樹立し、A、Bの2つのクロ-ンについて分析した。 1.細胞の倍加時間はA細胞が18時間、B細胞は19.8時間であった。 2、ALPase活性はA細胞では、培養直後から上昇を認め培養7日、13日目にピ-クがみられ高い活性を示した。しかしB細胞ではその活性は低く、上昇は認められなかった。 3、Ca量はA細胞では培養15日以降から増加を認め、37日以降ではその著しい増加が認められた。これに対してB細胞では、35日以降から増加を認め、50日以降その増加が顕著になった。 4、B細胞では、培養中アリザリンレッドSによって染めだされるnoduleの形成が認められ、培養日数の増加に伴いその染色程度も増大した。 5、PTHを培養上清中に添加すると、A細胞では濃度に依存してALPase活性が促進されたがB細胞では変化がなかった。1α25(OH)_2D_3を添加しても、A、B細胞ともにALPase活性には変化がなかった。 6、A細胞はヌ-ドマウスに移植すると腫瘍を形成し、腫瘍内に骨および類骨の形成が認められた。しかしB細胞では腫瘍の形成は認められなかった。 さらにオステオカルシンの合成、PTHによるcAMP合成の変化など他の骨芽細胞の分化ヌ-カ-についても検討中である。
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