1993 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の悪性度別治療法の開発に関する臨床病理,免疫学的研究
Project/Area Number |
03454471
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
小浜 源郁 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80014009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 明 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70166122)
永井 格 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30136957)
平塚 博義 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50165180)
山口 晃 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10210353)
小田島 哲世 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00177239)
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Keywords | 口腔癌 / 悪性度評価 / 頚部リンパ節転移 / 治療方針 / 治療法 |
Research Abstract |
本年度は、口腔粘膜癌の頸部リンパ節転移、転移の様相に関する原発巣の臨床的、病理組織学的因子を検討し、以下の結果を得た。口腔粘膜癌未治療症例310例中、組織学的にリンパ節転移が認められた症例は110例(35.4%)であった。転移の有無に関する有意な臨床的因子(chi^2検定)は発育型(P<0.01)、T分類(P<0.01)、N評価(P<0.01)であり、組織学的因子は、癌の分化度(P<0.01)、異型度(P<0.01)、核分裂指数(P<0.01)、単核細胞浸潤(P<0.01)、癌浸潤様式(山本・小浜分類、P<0.01)であり、各々が起立因子であることが明らかとなった。また、以上の臨床的、組織学的所見から評価した臨床的悪性度(P<0.01)、組織学的悪性度も同様に関連因子であることが判明した。転移の様相と臨床、組織学的所見との関係では、転移レベルに関連する因子は、臨床肉眼視診型(P<0.02)、分化度(P<0.01)、組織学的悪性度(P<0.01)であり、転移リンパ節数ではT分類(P<0.05)、N評価(P<0.05)であった。また、節外浸潤の有無に関連する因子は、臨床的悪性度(P<0.01)、単核細胞浸潤(P<0.05)であった。一方、潜在性頸部リンパ節転移の中でも、原発巣切除後に頸部リンパ節をきたした27例について検討したところ、原発巣切除後6ケ月以内に頸部転移の診断、頸部郭清が可能であった10例の5年累積生存率が90.0%であったのに対し、7ケ月以降の17例では47.0%と予後不良であった。とくに、後者の生存例は、口底原発で転移レベルがII以内、節内限局型で転移個数が2個以内の症例であったことから、臨床的に頸部リンパ節転移陰性の症例であっても、臨床的、組織学的悪性度の高い症例には極めて厳重な頻回の結果観察を行うか、選択的頸部郭清を考慮すべきであることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 宮川 明: "口腔癌の潜在性頚部リンパ節転移に関する臨床的,病理組織学的研究" 札幌医誌. 62. 43-53 (1993)
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[Publications] Noguchi,M.: "Clinical Significance of Laminin Deposition and T-cell Infiltrantion in Oral Cancer" HEAD&NECK. 15. 125-132 (1993)