1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454476
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
池田 憲昭 愛知学院大学, 歯学部・口腔外科(II), 講師 (30150791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半田 裕二朗 岐阜大学, 医学部・附属病院口腔外科, 講師 (50165049)
深野 英夫 愛知学院大学, 歯学部・口腔外科(II), 助手 (00231556)
水野 照久 愛知学院大学, 歯学部・口腔衛生学, 講師 (30201792)
中垣 晴男 愛知学院大学, 歯学部・口腔衛生学, 教授 (10097595)
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Keywords | 口腔粘膜症患 / カンボジア / 疫学 / 口腔白板症 / 口腔扁平苔癬 / 粘膜下線維腫 / 口腔保健 / 保健計画 |
Research Abstract |
カンボジア成人における口腔粘膜疾患の疫学調査に関する機告はこれまでにほとんどない。そこで同国における口腔粘膜疾患の疫学的状況を把握することを目的に同国保健省の許可の下に、プノンペン南西のカンダ-ルスタン郡において調査を行った。 対象および方法:カンダ-ルスタン郡コックトラップコミュ-ン9ヵ村およびプノンペン市内の寺院の祈祷訪問者の1339名(女性953名、男性366名、15歳〜99歳)を対象とした。検診に先立ちコックトラップコミュ-ン全住民の性、年齢、家族構成、職業について現地のプライマリ-ヘルスワ-カ-と協同で調査をして住民台帳を作成した。検診票はWHO標準口腔粘膜疾患調査を用い、診断基準はWHO定義に従った。診査は木陰、家屋内などで、2本の歯科用ミラ-、光源付き額帯鏡を用いて行った。検診医は一人(N.I)であった。質問調査票にて喫煙、ビンロ-咀嚼、飲酒習慣を調査した。質問者は4人のクメ-ル人であった。調査期間はパイロットスタディ-(1991年3月)、住民台帳作成(4月〜6月)、口腔検診(7月4日〜7月31日)であった。 結果:1339名中67名に73例の口腔粘膜疾患を検出した。内訳は口腔癌1例(0.1%)、白板症14例(1.1%)、口腔扁平苔癬24例(1.8%)、粘膜下線維腫2例(0.2%)、口腔カンジダ症22例(1.7%)その他10例(9.8%)であった。白板症の有病率は男性2.2%、女性0.6%でその差は有意であった。扁平苔癬は女性のみ出現した。白板症の患者に喫煙者が有意に多かった。女性のビンロ-咀嚼者の口腔扁平苔癬に対する相対危険度は3.3(95%信頼区間0.97〜11.0)であった。 本年度の研究は同国の口腔粘膜疾患の疫学に関する情報、とりわけ喫煙習慣およびビンロ-咀嚼習慣との関連を明らかにした。同国の将来的な口腔保健計画の立案に際して重要な資料となろう。
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