1991 Fiscal Year Annual Research Report
動物細胞におけるDNA複製開始と転写調節の連働機構
Project/Area Number |
03454489
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
有賀 寛芳 北海道大学, 薬学部, 教授 (20143505)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有賀 早苗 北海道大学, 医療技術短期大学部, 講師 (90184283)
|
Keywords | myc遺伝子 / HSP70 / 免疫グロブリン / Alu配列 / SV40 / 転写因子 / 複製開始 |
Research Abstract |
材料としてヒト及びマウスのcーmyc、Nーmyc、ヒト熱ショックタンパク質70(HSP70)遺伝子、マウス免疫グロブリン遺伝子、ヒト反復配列Aluファミリ-DNA、動物ウイルスSV40を用いて以下の結果を得た。cーmyc遺伝子上流域のDNA複製開始領域(ori)、エンハンサ-に結合するタンパク質としてMSSPを同定し、そのcDNAクロ-ニングを行った。MSSPはcーmycタンパク質と複合体を形成し、二本鎖DNAより一本鎖DNAにより強く結合する。cーmyc oriを含むクロ-ンをエピゾ-ムで含む細胞株を樹立し、複製がG_1→S期に起こることを認めた。またcーmycタンパク質の転写因子としての機能は同様にG_1→S期に生じ、その機能部位がN末とC末に存在することを明らかにした。HSP70遺伝子のプロモ-タ-領域にはcーmycには異なるMSSP/cーmycタンパク質複合体が結合し、転写調節に関与していた。またin vivoで現実に機能しているoriはこのプロモ-タ-領域と一致し、この領域を含むクロ-ンは染色体外で複製した。Nーmyc遺伝子上流域に転写調節領域を同定し、特にー960付近は神経細胞特異的に機能するエンハンサ-であり、そこに結合するタンパク質を同定した。その下流にはgeneralエンハンサ-が存在し、そこに結合するタンパク質は二本鎖よりより1本鎖DNAに結合する。またこのcDNAをクロ-ニングした。Nーmycタンパク質は転写抑制遺伝子としてNーmyc、MHCclass遺伝子の転写抑制した。この機能部位はN末、C末、中央部の3ヵ所存在した。免疫グロブリン遺伝子上のoriは転写エンハンサ-と一致し、この領域を含むクロ-ンは染色体外で複製した。Aluファミリ-DNAは転写と複製のモデュレ-タ-として機能し、結合タンパク質を2種同定した。 SV40 DNA oriとAT配列との関係を調べ、AT配列とクロマチンタ-ン、AT一本鎖結合タンパク質を同定した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Kihara,F.: "An eukaryotic 130 kDa protein binds bacterial cーAMP responsible element." Biochem.Biophys.Acta. 1089. 227-233 (1991)
-
[Publications] Kitaura,H.: "Activation of cーmyc promoter by cーmyc protein in serum starved cells." FEBS Lett.290. 147-152 (1991)
-
[Publications] Tomilin,N.V.: "Human satellite DNA sequence from an unstable region of chromosome 1 anteracts with ubiquitous transcription factor OTFー1." Biomedical Science. (1991)
-
[Publications] Taira,T.: "cーmyc protein complex binds to two site of the human hsp70 promoter region." Biochem.Biophys.Acta. (1992)
-
[Publications] Negishi,Y.: "Protein complexes bearing mycーlike antigenecity recognize two distinct DNA sequences." Oncogeno. (1992)
-
[Publications] IguchiーAriga: "Identification of the initiation region of DNA replication in murine immunoglobulin heavy chain gene and possible function of octamer motif as a putatibe DNA replication origin in mammalian cells." Cell. (1992)