1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454490
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
横沢 英良 北海道大学, 薬学部, 教授 (90012765)
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Keywords | 受精 / 発生 / プロテアソーム / GTP-結合蛋白質 / アネキシン / グルコシダーゼ |
Research Abstract |
1.プロテアソーム:(1)マボヤ精子を海水より高いpHにして精子反応(sperm reaction.生理的条件では卵膜に結合することで起きる)を誘起して得た精子分泌液のゲル濾過後、抗プロテアソーム抗体を用いたドットブロッテイングと卵膜消化活性の測定を行い、精子細胞から26Sプロテアソームが遊離されること、遊離されたプロテアソームが卵膜を融解する活性を有することを明らかにした。 (2)マボヤの卵割の各分裂ステージおよび未受精卵(第一減数分裂中期に停止している)の人工賦活化で開始される減数分裂の各分裂ステージにおけるプロテアソームの活性を測定した結果、ATP-依存的なプロテアソーム活性がいずれの分裂でも分裂周期に依存して変動することを明らかにした。すなわち、プロテアソームが細胞周期の進行に重要な役割をはたしていると考えられる。 2.卵表層反応:(1)ボツリヌス菌体外酵素ADP-リボシルトランスフェラーゼC3をマボヤ卵内に顕微注入すると、卵膜上昇が誘起された。次に、C3酵素によるADP-リボシル化を阻害するモノクローナル抗体(C3酵素の基質となる低分子量GTP-結合蛋白質を認識する抗体)を用いてマボヤ卵内への顕微注入実験を行った結果、精子の添加で誘起される卵膜上昇を阻害するが、カルシウムイオノホア処理で誘起される卵膜上昇を阻害しなかった。すなわち、低分子量GTP-結合蛋白質が卵膜上昇に関与すると考えられる。 (2)ラット肺アネキシンに対する抗体を用いたウエスタンブロッティングにより、マボヤ卵および受精後の各発生段階の胚にアネキシンが存在することを明らかにした。 (3)マボヤ卵からN-アセチルグルコサミニダーゼを精製して特徴付けを行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hiroyuki Kawahara: "The 26 S proteasome is activated at two points in the ascldian cell cycle." FEBS Lett.310. 119-122 (1992)
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[Publications] Yoshiko Saitoh: "High molecular weight protease complexes (Proteasomes) of sperm of the ascidian,Halocynthia roretzi." Dev.Biol.in press. (1993)