1992 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子工学的方法によるプロリルエンドペプチダーゼの触媒機構と脳機能への作用解明
Project/Area Number |
03454493
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
芳本 忠 長崎大学, 薬学部, 助教授 (60088870)
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Keywords | プロリルエンドペプチダーゼ / プロテアーゼ / 脳 / プロテアーゼ2 / クローニング / 遺伝子組換え |
Research Abstract |
研究の目的は,プロリルエンドペプチダーゼの構造と機能および生理学的役割を遺伝子工学的方法を用い研究しようとするものである。 プロリルエンドペプチダーゼはプロリンに特異性を持つ唯一のエンドペプチダーゼで、本申請者により種々の動物の脳や微生物より単一に精製され、その諸性質が明らかにされてきた。本酵素は酵素化学的にも生理学的にも非常に興味ある酵素である。今回、遺伝子レベルからの研究に焦点を絞った。成果は以下のごとくである。 1、Flavobacterium由来のプロリルエンドペプチダーゼの塩基配列からシグナルペプチドを持つことが分かった。一方、発現された酵素のアミノ末配列の解析より、金コロイドを用いた免疫電顕により大腸菌のペリプラズムに分泌されていることが明らかになった。 2、ウシ脳プロリルエンドペプチダーゼ遺伝子のクローニング:これまで明らかにされたプロリルエンドペプチダーゼ遺伝の塩基配列を参考にし、保存性の良いと考えられる活性に関与するアミノ酸周辺の配列を基に、PCR法でウシ脳cDNAライブラリーを増幅した。PCRにより合成されたDNAの塩基配列を明らかにした結果、目的のプロリルエンドペプチダーゼの断片であることが分かり、全配列決定を進めている。 3、Aerobacter由来のプロリルエンドペプチダーゼ遺伝子のクローニング:Flavobacteriumとは等電点の異なる酵素をAerobacterに見出し、部分的配列決定からシグナルペプチドを持たないことが明らかとなった。進化の過程を調べる上でも重要なデータと思われる。 4、配列の結果から大腸菌プロテアーゼIIとホモロジーが見られた。全く基質特異性の違うプロテアーゼIIとプロリルエンドペプチダーゼの間にホモロジーのあることを見いだしたことは、重要なことである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tsuru Daisuke: "Degradation of Streptomyces metalloprotease inhibitor(SMPI)by neutral protease" Biosci.Biotech.Biochem.56. 1275-1278 (1992)
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[Publications] Kanatani Akio: "Location on physical map of Portease II gene from Escherichia coli" J.Bacteriol.,. 174. 1881-1889 (1992)
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[Publications] Kitazono Ana: "Cloning of proline iminopeptidase gene from Bacillus coagulans." J.Bacteriol.174. 7919-7925 (1992)
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[Publications] Yoshimoto Tadashi: "Pyroglutamyl peptidase from Bacillus amyloliquefaciens" J.Biochem.113. 67-73 (1993)
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[Publications] Tsuru Daisuke: "Zinc protease of Bacillus subtilis var.amylosacchariticus" J.Biochem.113. 101-105 (1993)