1993 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子工学的方法によるプロリルエンドペプチダーゼの触媒機構と脳機能への作用解明
Project/Area Number |
03454493
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
芳本 忠 長崎大学, 薬学部, 助教授 (60088870)
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Keywords | アミロイドタンパク / 蛋白分解酵素 / アルツハイマー症 / プロリルエンドペプチダーゼ / 触媒機構 / プロテアーゼ |
Research Abstract |
うし脳プロリルエンドペプチダーゼの全塩基配列を決定した。牛脳cDNAライブラリーを用い、酵素活性に関与するSerとAspの周辺の保存された配列を利用し、プローブを合成し、PCR法で増幅させ、目的のプロリルエンドペプチダーゼ遺伝子を得た。塩基配列から推定されるアミノ酸配列はブタのそれと90%以上の相同性が見られた。さらに大腸菌での遺伝子の発現を試みている。 プロリルエンドペプチダーゼは学習や記憶に関与する神経ペプチドの代謝酵素と考えられているが局在性および生理機能は明かではなかった。一方、beta-アミロイドタンパク質(b/A4)はアルツハイマー病やダウン症候群の脳に沈着する老人斑成分の1つである。最近、このbeta-アミロイドタンパク質が老化促進マウスの脳にも認められることが報告されている。今回、脳内でのプロリルエンドペプチダーゼの役割を解明するため、老化促進マウスの脳を用い、酵素とアミロイドタンパク質の局在性を両抗体を用い免疫組織化学的に解析した。その結果、プロリルエンドペプチダーゼは正常マウスと老化促進マウス両方の脳に広く分布することが確認された。ここで興味深いことに老化促進マウス海馬でアミロイド免疫陽性反応はとほぼ同じ位置にプロリルエンドペプチダーゼ免疫陽性反応が確認された。更に、月齢が進むにつれ、両者の量が有意に増加した。これらのことはアミロイドタンパク質のプロセッシングにプロリルエンドペプチダーゼの関与が示唆されるデータと思える。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] A.Kanatani: "Prolyl endopeptidase from Aeromonas hydrophyla: cloning,sequencing and expression of the enzyme gene,and characterization of the expressed enzyme" J.Biochem. 113. 790-796 (1993)
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[Publications] T.Yoshimoto: "Pyroglutamyl peptidase gene from Bacillus amyloliquefaciens:cloning,sequencing,expression,and crystallization of the expressed enzyme" J.Biochem.113. 67-73 (1993)