1992 Fiscal Year Annual Research Report
Kabuki make up症候群の分子細胞遺伝学的研究
Project/Area Number |
03454500
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Research Institution | Yamaguchi University School of Medicine |
Principal Investigator |
梶井 正 山口大学, 医学部, 教授 (40116710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
〓野 聡 山口大学, 医学部, 助手 (30205265)
村野 一郎 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (20200305)
塚原 正人 山口大学, 医学部, 講師 (20136188)
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Keywords | Turner症候群 / 歌舞伎の目症候群 / リングX / リングY / X不活性化 / XIST |
Research Abstract |
1.Turner症候群の核型を示し、Kabuki make-up症候群の臨床症状を呈する12例を集収した。7例は定型的、5例は非定型的だった。前者のうち6例はリング(XorY)、1例はXp-だった。後者はリングX(大型)1例を含む程々の核型だった。母体となったTurner症候群118例中、リング(XorY)は16例だから、Turner-Kabuki-make up症候群にはr(XorY)が多い。 2.上記の6例のr(XorY)は何れもG染色体より小型で、セントロメアの蛍光染色では2例がX染色体、1例がY染色体起源だった。X染色体起源の4例についてX染色体不活性化の指標となるXistの発現の有無をしらベ、何れも陽性だった。従って、この4例のr(X)では、r(X)3hは正常Xが不活性化していると推定される。 不活性、活性リングXがモザイクで存在する場合を想定してBUDR法を用いて不活性化Xの染め分けを試みた。X染色体のセントロメア近傍は比較的早期に複製するので、この方法では小型のr(X)の複製時期の判定は難しいことが判明した。 3.Kabuki make-up症候群の臨床症状を呈するr(X)の例を、症状を持たないが重症の精神薄弱を呈するr(X)についてr(X)のmicrodisectionを試みた。r(X)から得たprobeを用いてpaintmsを試み、X染色体のセントロメア近傍が染った。 以上の結果から、Kabuki make-up症候群の臨床症状を呈するTurner症候群患者の大部分は小型のr(XorY)を持つことが判明した。小型のr(X)がX不活性化センターを失なって、活〓を維持するために種々の症状を呈するとする〓説は否定的である。 Kabuki make-up症候群の部分症状を持ち、精神薄弱は軽度のTurner症候群患者が存在する。
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