1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454517
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Research Institution | Yamaguchi University School of Medicine |
Principal Investigator |
加来 浩平 山口大学, 医学部, 助教授 (10116709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松谷 朗 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (10190464)
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Keywords | NIDDM / 糖輸送担体遺伝子 / グルコキーゼ遺伝子 / 遺伝子マーカー / PCR-SSCP / 直接シーケンス / シーケンス変異 / プロモーター活性 |
Research Abstract |
平成3年度 (1)対象並びにDNAサンプリング:家族歴のない健常者(40才以上)および糖尿病(NIDDM)患者の各々100例を対象とし、末梢血よりDNAをサンプリングした。 (2)糖輸送担体遺伝子解析:GLUT-1についてXbaI切断部位の異型性をPCR-RFLP法にて、GLUT-4ではKpnI切断部位についてサザーン法により解析した。その結果、GLUT-1のXbal(-)alleleの出現頻度が糖尿病群で有意に高く(P<0.01)、この領域の遺伝子変異が発症に関与する可能性を示唆した。GLUT-4のKpnI RFLPは両群間で差がなかった。 平成4年度 (1)ヒトGLUT-1遺伝子シーケンス変異の解析:GLUT-1遺伝子のいかなる変異が糖尿病発症に関与するかを知るために遺伝子変異を検討した。各エクソンに対応するPCRプライマーを作製し、Xbal(-)alleleをもつ53名のNIDDM患者について解析した結果、エクソン2、5、7、9、10においていずれもアミノ酸変換を伴わない1塩基置換を認めたが、発症の決めてとなる変異は同定できなかった。 (2)グルコキナーゼ(GCK)遺伝子解析:ヒトGCK遺伝子の3'側、5'側のdinucleotide repeat marker(GCK1およびGCK2)を遺伝子マーカーとしてNIDDM群、対象群でallele出現頻度を比較した結果、DM群でGCK1のZ+4alleleおよびGCK2の-2alleleの出現が有意に高いことが判明した。 平成5年度 (1)ヒトGCK遺伝子シーケンス変異の解析:全エクソン12個およびプロモーター領域におけるシーケンス変異をPCR-SSCP法ならびに直接シーケンス法にて解析した。コーディング部位(エクソン4)に1つ、プロモーター部位に計4つの変異を認めたが、エクソン4の変異はアミノ酸変換を伴わなかった。 (2)ヒトGCK遺伝子のプロモーター解析:プロモーター領域でのシーケンス変異が本遺伝子の発現におよぼす影響をみるためプロモーター活性をルシフェラーゼ発現ベクターを用いて解析した。膵型プロモーター部位での変異によりプロモーター活性は有意に低下することが明らかになった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 加来浩平 ほか: "糖輸送担体遺伝子の多型性-遺伝子マーカーとしての有用性-" 糖尿病記録号1991. 169-173 (1991)
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[Publications] 松谷朗 ほか: "A polymorphic (CA)n repeat element maps the human glucokinase gene (GCK)to chromosome 7P." Genomics. 12. 319-325 (1992)
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[Publications] 加来浩平: "NIDDMと発症遺伝子-RFLP解析法による研究" 実験医学. 9. 509-516 (1991)
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[Publications] 谷澤幸生 ほか: "Human glucokinase gene:Isolation,structural characterization and identification of a microsatellite repeat polymorplrism" Molecular Endocrinology. 6. 1070-1081 (1992)
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[Publications] 野田薫 ほか: "Polymorphic microsatellite repeat markers at the glucokinase gene are positively associated with NIDDM in Japanese" Diabetes. 42. 1147-1152 (1993)
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[Publications] 松谷朗 ほか: "ヒトGK遺伝子プロモーター領域の多型性の意義-プロモーター活性の検討" 糖尿病記録号1993. 46-50 (1993)
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[Publications] 松谷朗 ほか: "Jnsulin Resistance in Human Disease" Elsevier Science Publisher B.V.,Amsterdam, 409 (1993)