1992 Fiscal Year Annual Research Report
脳腸ホルモンのスーパーアゴニストおよびアンタゴニストのデザインと開発
Project/Area Number |
03454520
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
矢内原 昇 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (80046250)
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Keywords | PACAP / ヘロデルミン / ガラニン / ヒト・グリセンチン / クロモグラニンA / [D-Thr^6,D-Trp^<8,9>]galanin(1-15)-ol / アンタゴニスト / ヒト神経芽細胞腫培養細胞系NB-OK-1 |
Research Abstract |
1.Pituitary adenylate cyclase activating polypeptide(PACAP)はVIPと構造が類似し、消化管壁内神経叢にPACAP陽性の神経細胞が存在している。本研究ではモルモット下部大腸を使用し、PACAPの大腸粘膜でのイオン輸送に与える影響を検討した。その結果、PACAPは明らかに短絡電流を増大し、クロライドイオン輸送に関与していることを示した。その作用はPACAP27が、PACAP38より強力であり、同濃度のPACAP(1-15)には作用が認められなかった。 2.クロモグラニンA(CgA)については、C端359-389配列に相当するペプチドを抗原として作製した抗CgA(359-389)血清R0763を用いるCgA C端特異RIAによって、ヒト血中CgA様免疫活性の測定が可能であり、特に褐色細胞腫の診断に有効であることを証明した。 3.ヒト・グリセンチンの全合成に成功し、その生物化学的、免疫化学的性質を明らかにした。 4.ヒト神経芽細胞腫培養細胞系NB-OK-1のヘロデルミン受容体について、各種合成ペプチドフラグメントを用いて^<125>I-heloderminの結合および細胞内cAMP産生作用を検討した結果、その細胞膜には、ヘロデルミン受容体が存在し、その受容体はPACAPおよびVIP受容体とは互いに異なることを明らかにした。また、本細胞膜を用い、PACAPおよびVIP受容体についても合成PACAPおよびVIPのアンタゴニストを分子設計し、その作用を検討中である。 5.ガラニンについては、ヒト・ガラニンを化学合成し、ヒトにおけるGHおよびプロラクチン分泌能を検討し、有意のGH分泌刺激を示すことを明らかにした。なお、ヒト・ガラニンはプロラクチン、ADHの分泌には有意の効果を示さなかった。 6.ラット単離膵懽流系を用い、ガラニンによるグルコース刺激インスリン分泌抑制作用を強力に阻害するアンタゴニスト[D-Thr^6,D-Trp^<8,9>]galanin(1-15)-olを見いだした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y. Ishizuka ,N.Yanaihara: "Cardiovascular and respiratory actions of pituitary adebylate cyclase-activating polypeptides" Regulatory Peptides. 40. 29-39 (1992)
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[Publications] S. Naruse ,N. Yanaihara: "Vasodilator action of guinea pig vasoactive intestinal polypeptide(VIP):comparison with common mammalian VIP" Regulatory Peptides. 42. 163-171 (1992)
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[Publications] T. Mochizuki ,N. Yanaihara: "Effects of galanin fragments on insulin release from the isolated perfused rat pancreas" Biomedical Research. 13(3). 203-213 (1992)
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[Publications] S. Sumi ,N. Yanaihara: "Stractural requirements of peptide YY for biological activity at enteric sites" The American Physiological Society. 263. G695-G701 (1992)
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[Publications] P. B. Hedlund,N. Yanaihara: "Evidence for specific N-terminal galanin fragment binding sites in the rat brain" European Journal of Pharmacology. 224. 203-205 (1992)
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[Publications] M. Watanabe,N. Yanaihara: "Localization of gastrin-releasing peptide(GRP)-like immunoreactivity in the lysosomal compartment of the trigeminal ganglion cells of the rat" Histochemistry. 97. 277-281 (1992)