1991 Fiscal Year Annual Research Report
近交系間4元交雑マウスの量的形質特性の調査および近交系ならびにF1との比較
Project/Area Number |
03454531
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
江崎 孝三郎 大阪府立大学, 農学部, 教授 (70072402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都築 政起 大阪府立大学, 農学部, 助手 (70212058)
森岡 宏至 大阪府立大学, 農学部, 講師 (20081599)
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Keywords | ICRマウス / 4元交雑マウス / 遺伝的類似性 / ヘモグロビン型 / アイソザイム / 下顎骨 / 正準判別分析 |
Research Abstract |
クロ-ズドコロニ-ICRマウスから育成された4種の近交系(A,C,P,Q)、近交系間F1(P×C,Q×A)、4元交雑(MCH)およびICRマウスについてヘモグロビン型,各種酵素アイソザイム型等の生化学的形質を調査するとともに、下顎骨の11部位の形態的量的形質の測定を行い、コンピュ-タを用いた多変量解析によって各種マウスの遺伝的関連性を検索した。 生化学的形質の調査においては,ICRマウスでは6項目(Pepー3,Carー2,Pgmー1,Ldrー1,Gpiー1およびHbb)において多型が認められた。一方、近交系においては4項目(Pgmー1,Ldrー1,Gpiー1およびHbb)において系統差がみられた。Pepー3およびCarー2においてはICRマウスにおいて対立する遺伝子の頻度が極めて低かったため,4系統とも頻度の高い一方の遺伝子に固定したものと考えられた。MCHにおいては4近交系の間に系統差のみられた項目において多型がみられた。 下顎骨の11個所の測定値を多変量解析(正準判別分析)したところ、4つの近交系は育成の基礎となったICRマウスの周辺に分布し、他の近交系(C57BL/6,BALB/c,C3H/He)などとは異なる位置にあった。近交系間の交雑F1のP×Cは近交系Pと近交系Cの中間に,Q×AはQとAの中間に位置していた。さらに、MCH(近交系P,C,Q,Aの4元交雑)はP×CおよびQ×Aの中間に位置し、しかもほぼICRと同様の場所に位置していた。このことは、ICRから育成した4近交系を交雑して得られた4元交雑マウスの遺伝的性格がもとのICRと類似していることを示唆している。
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