1991 Fiscal Year Annual Research Report
無機質・微量栄養素の欠損状態における生体防衛機構の解明
Project/Area Number |
03454532
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Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
坂本 元子 和洋女子大学, 文家政学部, 教授 (70049980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川野辺 由美子 和洋女子短期大学, 家政科, 講師
石井 荘子 和洋女子大学, 文家政学部, 助教授
小林 幸子 和洋女子短期大学, 家政科, 教授
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Keywords | 生体防衛反応 / マグネシウム欠乏 / 補体系免疫因子 / 補体C3濃度 / 補体溶血活性 |
Research Abstract |
生体防衛反応に及ぼす無機質・微量栄養素欠損の影響を検討する目的で、今回は栄養素としてマグネシウム(Mg)をとりあげ、Mg欠乏ラットを用い、今年度は特に初期の生体防衛因子として重要な役割を有し、細胞性免疫因子と相互に材用する補体系の動態を中心に検討を加えた。 SD系の雄ラットを2群に分け、Mg欠乏食(Mg:10ppm)とContorol食(Mg:73ppm)で3週間飼育した。3週間飼育後、回復期の観察を行う目的でMG欠乏群を更に2群に分け、一方にはそのまま続けてMg欠乏食を3週間投与し、他方にはMgをContorol食の1/2量含む回復食を2週間、最後の1週はContorol食を投与した。各週毎に採血を行い、血中Mg濃度及び顆粒球数、補体系因子では血中補体C3濃度、補体溶血活性(CH50及びACH50)C3b、iC3b形成能を測定した。 Mg欠乏食飼育によりMg欠乏時における特徴的な所見である皮膚の発赤等の発現、血中Mg濃度の著明な低下及び顆粒球数の上昇等が確認され、これらの変化はMgの補充により回復した。 C3濃度はMg欠乏1週目から急激な上昇が認められ、6週目まで高値を維持した。CH50及びACH50も同様に欠乏食飼育1週目から著しい上昇が認められた。これらの結果はMgの補充によりContorlと同様の値に回復した。またC3b形成能は有意ではないもののMg欠乏で1週目から上昇する傾向がみられた。一方、iC3b形成能についてはMg欠乏群でやや低下する傾向が認められた。 以上のMg欠乏状態におけるC3を中心とした活性の上昇は、その反応の過程でC3a、C5a等のfragmentを産生している可能性が考えられる。Mg欠乏時にみられる皮膚の発赤はC3a、C5aの増加によりanapyhlaxisを起こす結果と考えられ、血中の白血球の増加もC3a、C5aの白血球遊走作用が一因であると思われる。
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Research Products
(1 results)