1991 Fiscal Year Annual Research Report
小・中学生の有酸素的作業能および運動能力の発達に関する追跡的研究
Project/Area Number |
03454535
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 寛道 東京大学, 教養学部, 教授 (60023628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 規夫 三重大学, 教育学部, 助教授 (10126998)
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Keywords | 追跡的研究 / 最大酸素摂取量 / 幼児体育 / 発育期の運動の影響 |
Research Abstract |
本研究の目的は、幼児期から小・中学生期にかけての体力・運動能力の発達の様子を追跡的測定によって縦断的にとらえ,幼児期からの活発な身体運動の実施の影響を明らかにすることにある。測定は1980年から実施され,毎年新しい対象を増加させてきたが,1990年までに,中学3年生まで10年間の追跡測定を完了した生徒数60名を数えた。また,小学生についても4・5歳の幼児期から小学校5年生まで6〜7年間の追跡測定結果を45名について得ている。今年度の研究は,昨年度までの測定対象をひき続き追跡してゆくことによって,測定例数を増加させることを主目的として実施した。 三重県紀伊長島町立幼稚園,町立小学校を卆業し,今年度町立紀北中学校2,3年に在学する追跡測定対象者について,トレッドミルランニング法を用いて最大酸素摂取量の測定を実施した。対象のうち,追跡測定条件を満たしたものは、95名であり、9〜10年間の追跡測定結果がさらに増加したことは大きな成果であった。測定項目は、上記の他,形態計測22項目,皮脂厚,握力,背筋力,垂直とび,立位体前屈,立巾跳,立5段跳,シャトル走,自転車駆動アネロビックパワ-などである。 小学生については、幼児期にあまり活発な身体運動が行われなかった三重大学附属幼稚園の卆園児で、三重大学附属小学校に在学している4,5,6年生135名について追跡測定を実施した。このことによって,幼児期から小学生期にかけての非常にきめ細かい縦断的測定結果が得られつつある。 今年度の追跡測定研究を行うことによって,次のことがより明確になった。(1)思春期発育スパ-ト期以前では、最大酸素摂取量の発達がゆるやかであるが,発育スパ-ト期に発達が著しくなる。(2)中学3年生ではクラブ活動を引退する習慣があり,最大酸素摂取量の低下が生じている。
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