1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454554
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
堀 信行 広島大学, 総合科学部, 助教授 (40087143)
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Keywords | サンゴ礁 / 寸づまり現象 / 地形構成 / 周辺域 / デイリ-点 / 海水準変化 / 礁斜面 |
Research Abstract |
本年度は、研究実施時期に例年になく台風の襲来が相次いだ。このために空中写真の判読など室内作業は支障をきたさなかったが、海況に大きく左右される要素の多い現地調査の予定は変更せざるを得なかった。すなわち、本年度は夏季に沖縄の宮古島の方から現地調査を始める予定にしていた。しかし、台風による天候不順のため、10月上旬に調査時期を変更した。それにもかかわらず再び台風が沖縄地域を襲ったために、奄美の沖永良部島に調査地を変更した。調査中は台風の影響があったものの、幸いに潜水調査も測深調査も実施できた。なお、調査地を沖縄から奄美への変更は、全体計画からみれば、いずれも研究対象地域なので問題とはならない。 沖永良部島は、浅い礁湖を連続的に持たず、小礁池とともに礁原部が海岸まで連続した典型的な裾礁は見られる。この島南部の住吉と知名の水路露頭二ケ所で潜水調査を行った。予想通り活発な造礁力を示す堆積構造の礁縁部の特徴が水路露頭の全面に認められた。とくに知名の水路露頭は、規模も大きく、かつ露頭は新鮮で、現成礁の基底との関係も追跡でき、沖縄・奄美を通じても指折りのものであることが確認できた。この露頭から ^<14>C年代測定用の造礁サンゴの試料を採集し、現在分析中である。現在本年度の調査によって、本研究の目的である地形構成の寸づまり現象を解明するための鍵を握る地域になることが判明したので、平成4年度にも補足調査を行いたい。また、島の南部を中心とする礁斜面の測深調査では、デイリ-点が45ー50mにあることが確認され、予想通りの結果を得た。
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