1993 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト正常2倍体細胞及びマウス脳における増殖停止誘導遺伝子の単離
Project/Area Number |
03454556
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Research Institution | Institute of Molecular and Cellular Biosciences |
Principal Investigator |
鮎沢 大 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (00142109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 道夫 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (00126004)
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Keywords | L1反復配列 / 相補性群 / 不死化細胞株 / 7番染色体 / 微小核細胞融合法 / 放射線雑種細胞 / 分裂停止遺伝子 |
Research Abstract |
1.老齢及び若齢マウスの脳と肝臓から精製したゲノムDNAについて、構造変化が見られるかどうか検討した。L1反復配列をEcoRIスター活性で切断したとき、組織間あるいは年齢間でパターンの違いが認められたが、それは塩基配列レベルの違いではなくDNAの製精度や立体構造などの不安定な要因によることが分かった。したがって、老化に伴うゲノムDNAの構造変化の探索は中止した。 2.ヒト不死化細胞株は細胞融合を用いた遺伝解析によって少なくともA〜Dの4個の相補性群に分類される。まず、D群の不死化細胞株KMST-6及びSUSM-1について詳細なRFLP解析を行い、7番染色体の共通な領域に染色体変化を見い出した。そこで、正常7番染色体を微小核細胞融合法を用いて上記の細胞株へ導入したところ、両者とも10〜30回の分裂をした後分裂を停止した。さらにD群に属する肝癌由来HepG2株に7番染色体を導入しても同様な結果が得られた。一方、7番染色体はA,B,C群の細胞株の分裂能には影響を与えなかった。したがって、D群細胞株は7番染色体上の分裂停止遺伝子の変異によって生じることが示唆された。次に、放射線雑種細胞を用いて7番染色体のサブパネルを作成し、分裂停止遺伝子を約10Mbの領域に絞り込んだ。これによってメガYACクローンに落とせる見通しが生じた。
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[Publications] Ogata et al.: "Chromosome 7 induces cellular senescence of non-tumorigenic immortalized human fibroblast cell lines" Mol.Cell Biol.13. 6036-6043 (1993)
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[Publications] Sasaki et al.: "Construction of a normalized cDNA library by introduction of a semi-solid mRNA-cDNA hybridization system" Nucleic Acids Res.(in press).