1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454558
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Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
曽我部 正博 名古屋大学, 医学部, 教授 (10093428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷村 禎一 九州大学, 教養部, 助教授 (20142010)
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Keywords | ショウジョウバエ / SAチャネル / ミュータント / 膜張力 / パッチクランプ / 培養骨格筋 |
Research Abstract |
近年、バクテリアからヒトに至る広汎な細胞において、細胞膜の伸展刺激に応じて活性化されるStretch Activated Channel(SAチャネル)が発見されてきた。その生理的役割は、不明な点が多いが、細胞の体積調節や成長分裂の調節に関わる極めて重要なチャネルであることが示唆されている。しかしこのチャネルを高密度に含む特別な材料がなく、特異的なブロッカーもないことから生化学的アプローチが困難で、その分子実体は全く謎の状態である。本研究はSAチャネルの実体を捉える第一歩として、遺伝学的知識が蓄積されているショウジョウバエを用いてそのミュータントを分離する実験系を確立することを目的としている。具体的には、イオンチャネル、細胞、個体の各レベルにおいて効率の良いスクリーニングシステムを開発し、この目標を達成することを目指した。本年度は、細胞スクリーニング法の仕上げ、ショウジョウバエ骨格筋の培養系の確立、およびSAチャネルのキャラクタリゼーションを中心に展開し、以下のような結果を得た。1.細胞をシリコン膜上で伸展する際(昨年度開発した手法)、細胞膜に発生する膜張力を計算する方法を開発した。2.1の手法でSAチャネルを50%活性化するのに必要な膜張力を評価したところ、8-16dyn/cmという値が得られ、パッチクランプで得られた結果とほぼ一致することが判明した。したがって、シリコン膜法で観測される伸展依存性Ca増量が確かにSAチャネルの活動度を反映していることが裏づけられ、この方法が細胞レベルでのSAチャネルの有効なスクリーニング法のとして使えるということが分かった。3.ショウジョウバエの胚から骨格筋を単離し、長期間培養できる系を確立した。4.3の方法で調整した骨格筋にパッチクランプを適用し、約90psのSAチャネルを同定し、そのキャラクタリゼーションを行った。(5)湿度、機械感覚受容器のミュータントを行動学的に分離した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Bowman,C.L.,Ding,J.P.,Sachs,F.,& Sokabe,M.: "Nechanotransducing ion channels in astrocytes." Brain Res.584. 272-286 (1992)
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[Publications] Hashino,E.,Tanaka,Y.,Salvi,R.,& Sokabe,M.: "Hair cell regeneration in the adult budgerigar after kanamycin ototoxicity." Hearing Res.59. 46-58 (1992)
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[Publications] Kobuke,Y.,Ueda,K.,& Sokabe,M.: "Artificifal non-peptide single ion channels." J.Am.Chem.Soc.114. 7618-7622 (1992)
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[Publications] Naruse,K.& Sokabe,M.: "Involvement of stretch activated ion channels in the Ca2+mobilization to mechanical stretch in cultured endothelial cells." Am.J.Physiol.
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[Publications] Sokabe,M.,et al.,: "Mechanics of patch clamped and intact cell membranes in relation to SA channel activation." Jpn.J.Physiol.
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[Publications] 曽我部 正博、成瀬 恵治、曽我 浩之: "膜伸展によって活性化されるイオンチャネル" 心臓. 24. 327-337 (1992)
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[Publications] Sokabe,M.& Sachs,F.: "Towards molecular mechanism of the gating in stretch activated channel.In“Comparative Aspects of Mechanoreceptor Systems" (Ed.F.Ito),pp55-77" Springer Verlag, 309 (1992)
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[Publications] Ito,F.,Sokabe,M.,& Fujitsuka,N.: "Muscle mechanoreceptors in nonmammalian vertebrates.In “Comparative Aspects of Mechanoreceptor Systems"(Ed.F.Ito),pp261-280" Springer Verlag, 309 (1992)