1992 Fiscal Year Annual Research Report
脳の老化過程の二元論的解析に関する基礎的研究 ーカニクイザルを用いたMRIによる画像解析を中心にー
Project/Area Number |
03455009
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野口 淳夫 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (80091916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長 文昭 国立予防衛生研究所, 筑波霊長類センター, 室長 (30072929)
吉澤 卓 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (00210667)
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Keywords | 脳 / 老化 / 萋循 / マカク属サル / 動脈硬化 / MRI |
Research Abstract |
マカタ属サルを中心とした研究; 前年度の研究で28才齢のニホンザルの脳のMRI像で、萋循と思われる画像が得られたので、今年はその点をさらに解析した。これまでのところ、同様の画像がより若いサルでも存在していることが判明し、28才齢ニホンザルに見られた画像がヒトの脳の萋循と同様か否か疑問となってきた。最終的にはこのサルを実験殺し組織学的に検討しない限り結論は出せないと考える。 リスザルを用いた研究; 今年度から、リスザルに犬ジステンバーウィルスを投与(脳)し、実験的な脳の萋循モデルを作出する事を目的としたプロジェクトを開始した。現在のことろ、4頭のリスザルのウィルス投与前の正常MRI像を揚存した段階である。 コビトキツネザルを用いた研究; フランスの研究者には、コビトキツネザル(Microcebus)の老化個体において、人間のアルツハイマー病に見られるsenile praqoeや神経原〓〓の変性が、多く見られると報告している。筆者は共同研究の了解を得ており、(主として免疫機構の老化を担当)近々開始する事になっている。 その他の研究; 本研究はヒトの老化(脳の)のモデルをサルに求め、また相異点の原因を解明することによって、老化機構の解明をはかる事を目的としている。これまでの研究で、サル類の脳の老化がヒトに比し相対的に遅延する理由として、血管の動脈硬化がサルでは、生じにくいと考えて来た。しかし、脳の血管の動脈硬化は、サルのみならずヒトにおいてもこれまでは考えられてきた程には、脳の動脈硬化は生じていないという可能性が出てきた。次年度はこれらの点についても、検討を加えたい。
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[Publications] A.Noguchi,T.Yoshizawa,M.Tokairin他: "A few remarks on aged monkey brain by magnetic resonance imaging" Primafology Today. 455-458 (1991)
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[Publications] K.Hashida,K.Terao,A.Noguchi: "Major hisfcom pafibility complex and glns of the cyhonulguo monkey" Primatology Today. 649-656 (1991)
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[Publications] M.Tokairin 他: "Responses of Aged Monkeys to Novel stimuli" XIV^<th> congress of the Int.Primahol Soc.331-331 (1992)
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[Publications] M.Murayama 他: "Peripheral CD4^+CD^<8+> cells and Slo enfecfior in Afrecan Green Monkey" XIV^<th> Congress of the Int.Primatol.Soc. 356-356 (1992)