1991 Fiscal Year Annual Research Report
利得結合に基づく超高速・超高安定単一モ-ド動作半導体レ-ザの開発
Project/Area Number |
03505001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
多田 邦雄 東京大学, 工学部, 教授 (00010710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永沼 充 日本電信電話(株), 光エレクトロニクス研究所, 主幹研究員
岩岡 秀人 光計測技術開発(株), 中央研究所, 主任研究員
村井 徹 東京大学, 工学部, 助手 (60107571)
中野 義昭 東京大学, 工学部, 講師 (50183885)
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Keywords | 半導体レ-ザ / 分布帰還型レ-ザ / DFBレ-ザ / 利得結合 / 凹凸活性層 / 吸収性回折格子 / 超高速動作 / 超低チャ-ピング |
Research Abstract |
1.利得結合文布帰還形(DFB)半導体レ-ザの理論的研究:標記レ-ザにおける結合係数の偏波依存性、線幅増大係数、非対称端面コ-ティングによる外部効率増大効果などにつき理論的研究を行ない、多くの有益な知見を得た。2.量子井戸利得結合DFBレ-ザの開発:量子井戸構造を、増幅性格子型利得結合DFBレ-ザに導入する方法につき研究を行なった。まず、凹凸回折格子を形成した基板上に単一量子井戸を有機金属気相成長法(OMVPE)により成長し、格子周期に同期して厚さの変化する単一量子井戸を得た。これにより利得結合が発生することを実験的に確認し、閾値30mA、隣接モ-ド抑圧比(SMSR)47dBの高歩留り単一モ-ド室温連続発振を達成した。さらに、利得飽和現象を緩和するため、上記レ-ザの多重量子井戸化も試みた。3.InGaAsp/Inp長波長帯利得結合DFBレ-ザの開発:OMVPEと反応性イオンエッチングを活用して、四元混晶レ-ザ活性層自体を凹凸回折格子とすることに成功し、長波長1.55μm帯の増幅性格子型利得結合DFBレ-ザの作製が初めて可能となった。試作素子は閾値12〜16mAで室温連続動作し、90%の素子が最高出力まで単一縦モ-ド発振を維持した。SMSRは、55dBという従来にない高い値を示した。4.吸収性格子型利得結合DFBレ-ザの解折と試作:吸収性回折格子を活性層の近傍に設けても利得結合を実現できるが、吸収に起因する閾値の上昇を抑制する必要がある。この観点から、吸収領域のデュ-ティ-ファクタの最適値を理論的に決定した。これに従って素子を試作した結果、予測どおりこのタイプでも25mAと十分低い閾値を得ることができた。さらに吸収領域の導電型を反転することにより、10mA程度閾値を低下でき、また吸収領域の可飽和性に基づく非線型動作もなくすことができた。本素子においてスペクトル線幅、ゲインスイッチング超高速動作特性を測定し、狭線幅性、超低チャ-ピング性を実証した。
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