1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03505004
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
稲垣 道夫 北海道大学, 工学部, 教授 (20023054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武居 精 大和田カーボン(株), 代表取締役社長
鈴木 正昭 北海道工業開発試験所, 主任研究官
奥谷 猛 北海道工業開発試験所, 材料開発部, 機能性材料課長
清水 晃 北海道大学, 工学部, 助手 (90002013)
土田 猛 北海道大学, 工学部, 助手 (40041959)
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Keywords | 炭素材料 / 表面積 / ガス吸着 / 炭酸ガス吸着 / ド-ピング / インタ-カレ-ション / 炭化珪素 |
Research Abstract |
炭素材料は活性炭としての用途に示されるように、大きな表面積を持つことが一つの特徴である。本研究では、このような大表面積を持つ炭素材料の機能を高度化するとともに、他の機能を付与して多元化することを目的として、1)炭素材の構造・組織と各種ガス吸着特性との関係を解明するとともに、2)シリコン、ボロンなどの異種原子、分子のド-ピングによる表面改質とガス吸着特性の向上するための基礎的検討を行った。1)構造・組織と各種ガスの吸着特性との関係:基材炭素材として処理温度の異なるフェノ-ル樹脂炭3種、ピッチ系及びPAN系活性炭素繊維5種を選び、その基本吸着特性として、窒素及び炭酸ガスの吸・脱着挙動を種々の温度で測定した。その結果、炭素繊維についての窒素および炭酸ガスの飽和吸着量はほぼ対応しており、それらガスの吸・脱着は急速で、可逆的であった。これに対して、1000゚C付近で炭素化したフェノ-ル樹脂炭の場合は、炭酸ガスの吸・脱着が不可逆的であり、真空に排気によっては脱着し得ない二酸化炭素分子がかなり大量に存在することが明らかになった。この吸着分子は250゚Cでの脱気処理によって取り除くことができ、再度炭酸ガスを不可逆的に吸着できることも明かとなった。炭酸ガスの吸・脱着挙動、飽和吸着量、さらに窒素の吸着量との関係は、フェノ-ル樹脂の炭素化温度および条件に強く依存している。2)ド-ピングによる表面改質と吸着特性向上:塩化鉄、硫酸あるいはアルカリ金属をインタ-カレ-ションさせたのち急熱して黒鉛基材を膨張させ、組織の改質を試みた。フレ-ク状の黒鉛は層面に垂直な方向に約300倍にも膨張し、大きな表面積が期待される。また、シランガス中で炭素繊維基材にレ-ザ光を照射することによって炭素材表面に炭化珪素が生成することが確認され、表面改質の可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 吉田 明: "Exfoliated Graphite from Various Intercalation Compounds" Carbon. 29. 1233-1238 (1991)
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[Publications] 奥谷 猛: "Synthesis of SiC powder and Sic-Si_3N_4 Composite Powder by a YAG Laser" Matrials Science Monographs. 66B. 1149-1158 (1991)