1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03554001
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田原 譲 名古屋大学, 理学部, 助手 (10135296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 勝 株式会社大隈鉄工所, 開発部・研究開発課, 課長
国枝 秀世 名古屋大学, 理学部, 助手 (00126856)
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Keywords | X線光学 / X線望遠鏡 / 超精密加工 / 表面粗さ / コ-ティング |
Research Abstract |
今年度はまず、形状評価装置として、回転台、Z軸ステ-ジ、位置検出センサ-を組み合わせたシステムを作り、望遠鏡1段の長さ100mmのスケ-ルでは十分な精度の得られることを確認した。 また、旋盤加工による超薄肉鏡面基板の試作については、大小2種類のサンプルを作り製作法、試作鏡の結像性能などの検討、評価を行なった。 まず初めに、ワ-クの固定法として真空チャッキング法を用い、直径45mm長さ25mmで1度のテ-パの円錐を外面仕上でどこまで薄くできるかを調べた。その結果、形状精度としては不十分であるが0.1mm厚まで実際に加工可能であることが実証された。そしてチャッキング溝などの影響の出ない0.3mm厚のサンプルでは、形状についても目標精度を確保できる見通しがついた。 次のステップとして、直径150mm長さ100mmで1度のテ-パの円錐(一段での焦点距離は2100mm)を、今度は実際に必要な内面仕上で試作した。このサイズでは、0.1mm厚のサンプルは加工後取り外しが困難となり、無理な力をかけたため大きく歪んでしまった。しかし0.3mm厚以上のサンプル(0.5mm厚、0.6mm厚)では、チャッキング溝の影響もほとんど無く、取り外しも可能であった。 これらのサンプルについては、可視平行光による結像性能評価を行なった。開き角7度分の円錐の一部を4箇所測定した結果から、試作鏡の光軸方向の形状精度が部分的には非常にそろっておりしかも設計値に非常に近いことがわかった。また円錐全体での測定から、設計上の像の広がりを入れても1.5分角相当であり、2段でもHPD<2′に相当し、設計値の広がりを引いた残り、即ち真の結像性能の限界はこれよりずっと小さいものと期待されることがわかった。
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Research Products
(1 results)