1991 Fiscal Year Annual Research Report
アダプティブ・オプティクス(補償光学)装置の試作研究
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03554002
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
家 正則 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 助教授 (30111446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市江 更治 浜松ホトニクス, システム事業部, 技術部長
三神 泉 三菱電機通信機製作所, 衛星通信部, 技術主幹
伊藤 昇 三菱電機通信機製作所, 機械技術部, 技術主幹
田中 済 東京大学, 理学部, 助手 (20011570)
野口 猛 国立天文台, 同学赤外線天文学研究系, 助教授 (10124679)
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Keywords | 補償光学 / イメ-ジ・スタビライザ / 大気シ-イング / コルモゴルフ乱流 / 可変形鏡 / 制御工学 / ド-ムシ-イング / ビエゾ駆動素子 |
Research Abstract |
補償光学装置の試作研究として、以下の3分野での研究を行った。 (1)大気による光波面擾乱の実測(ア)望遠鏡ド-ム内部の熱乱流による光波面擾乱を実測するために独創的な装置であるド-ムシ-イングモニタ-を設計、試作し、それを用いた試験観測を行った。上層大気中の乱れとド-ム内部での乱れとを同時に分離して測定するこのような装置の試作は、世界で初めての試みであるが、0.06秒角の分解能でのシ-イング測定が可能であることを証明した。同時に実施した温度乱れの測定結果との比較検討を行っている。(イ)大気の乱れの波数スペクトルをハルトマン法により、実測し解析した。この結果、ド-ム近傍の熱源が観測の支障になっている可能性が高いことが示された。 (2)補償光学装置の要素試作(ウ)前年度に別途試作を開始していた、波面傾斜を実時間補償するイメ-ジスタビライザ-装置を完成させ、傾斜補償制御性能の向上を実現した。この結果、2等星では250Hz、6等星では60Hz程度の帯域での波面補償が可能であることが実証された。(エ)光波面の高次擾乱を高速で測定ためにゲ-ト付き映像増倍管の試作を進めた。平成4年度にこの増倍管にカメラを取り付けて波面測定を行う。(オ)ピエゾ駆動素子37個を用いた厚さ100ミクロンの可変形薄鏡の試作を進めた。また、そのピエゾ駆動系の試作を進めた。平成4年度には可変形薄鏡システムの駆動試験に着手する。 (3)デ-タ処理システム/制御系の構築(カ)ビデオレ-トで取得したアナログ画像を、デジタル化して処理する計算機処理システム及びそのソフトウェアを構築した。(キ)可変形薄鏡の変形状態の校正に使用するための光干渉フリンジ画像の解析システムの構築を行った。(ク)補償光学システム用の制御アルゴリズムとして、ニュ-ロシステムの基礎検討を行った。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 家 正則: "能動光学と補償光学" 光技術コンタクト. 29. 10-18 (1991)
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[Publications] M.Iye et al: "Evaluation of Seeing on a 62cm Mirror" Publ.Astron.Soc.Pacific. 103. 712-722 (1991)
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[Publications] M.Iye et al.: "Differential Dome Seeing Monitor" Publ.Astron.Soc.Pacific.
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[Publications] 高見 英樹: "補償(アダプティブ)光学系" O plus E. 143. 712-722 (1991)
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[Publications] N.Takato et al: "Measurements of Higher Order Phase Distortion of the Atmospheric Turbulence and Simulations of Model Compensation" J.Opt.Soc.America.A.
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[Publications] M.Iye et al: "Image Stabilizer for Aperture Masking Interferometer" Publ.Astron.Soc.Pacific.
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[Publications] 家 正則: "銀河が語る宇宙の進化" 培風館, 176 (1992)