1992 Fiscal Year Annual Research Report
γ線点源探索のための空気シャワーチェレンコフ紫外光測定装置の開発
Project/Area Number |
03554004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
政池 明 京都大学, 理学部, 教授 (40022587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 嘉昭 甲南大学, 理学部, 教授 (70068112)
清水 裕彦 高エネルギー研究所, 助手 (50249900)
延与 秀人 京都大学, 理学部, 助手 (30213606)
今井 憲一 京都大学, 理学部, 助教授 (70025493)
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Keywords | γ線天文学 / 空気シャワーチェレンコフ / イメージインテンシファイア / 紫外光イメージング / ガスイメージチェンバー |
Research Abstract |
この研究の目的は、宇宙線の空気シャワーからの紫外チェレンコフ光のイメージを測定する装置を開発することである。本年度はこのイメージ測定装置の中心となる紫外光用大型イメージインテンシファイアの開発を行なった。製作したもののうち一番性能の良かったものを用い、直径1.8mの球面反射鏡を製作し、乗鞍山の宇宙線観測所(2800m)で、実際の宇宙線空気シャワーからの紫外チェレンコフ光のイメージ測定を行なった。鏡の方向は天頂に固定し、焦点に大型イメージインテンシファイアを設置し、この鏡の周囲に小型の鏡と紫外光用光電子増倍管を用いたチェレンコフ光望遠鏡を数台配置し、この信号をトリガーとしてイメージインテンシファイアの画像データを我々が開発したイメージデジタイザー等の画像処理装置を通して記録した。観測は夏に行ない、その後データ解析を行なった結果10TeV以上の宇宙線による紫外チェレンコフ光のイメージがとらえられていることがわかった。イメージインテンシファイアでの空気シャワーの観測は世界ではじめてのことである。夜光や星光によるバックグラウンドは紫外光は予想通り少なく、紫外チェレンコフ光による空気シャワー観測の有効性が実証された。今年度製作した紫外光用イメージインテンシファイアは、まだ量子効率が十分でなく可視光に対する感度が少し残っており、今後の改良によってさらに低エネルギーの宇宙線の観測が可能となるだろう。 同時に、バンドパスフィルターを用いて、これまで測定のなかった空気シャワーからのチェレンコフ光の分光観測も行なった。それによると紫外光がモンテカルロ計算より多いことを示しており、これも紫外チェレンコフ光による高エネルギー宇宙線の観測の有効性を示すものである。
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