1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03554006
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大貫 惇睦 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (40118659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 一彦 筑波大学, 物質工学系, 助手 (60225927)
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Keywords | 超高真空 / 帯溶融法 / 単結晶育成 / 重い電子系 / 希土類化合物 / CeRu_2Si_2 |
Research Abstract |
希土類化合物はガス貯蔵材料となるほどガスを吸蔵しやすい。通常はアルゴンガスやヘリウムガスの中で単結晶を育成するため,どうしても不純物ガスが単結晶の中に吸蔵されて,質を劣下させる。そこで本研究では銅製ボ-ト状の水冷ハ-ス状で帯溶融しながら単結晶育成を試みた。ただし,その育成を超高真空下で行うことにポイントがあり,現時点での到達真空度は8×10^<‐9>forrである。 一応装置は整備されたので,CeRu_2Si_2の純良単結晶育成に取組んだ。この物質は重い電子系の典型物質の一つであり,構成元素のRuやSiは希土類化合物の単結晶育成に唯一使用できるタングステンのルツボと反応することが知られている。使ってルツボが存在しない。そこで我々は従来,水冷ハ-スを使用し,トライ・ア-ク溶解炉により引上げ法で単結晶を育成した。0.5Kでの抵抗値は1.6μΩ・cm,室温との比Prt/P_<0.5>k=72であった。この試料の質は世界的に決っして悪くはなく,むしろ若干良い方であった。ただしこの育成法ではアルゴン・ガス中で行われた。ところが本研究で整備された装置で育成したところ,P_<0.5>k=0.9μΩ・cm,Prt/P_<0.5>k=138と,極めて良質な単結晶が育成された。もはやCeRu_2Si_2に関しては世界一と言っても良いだろう。育成中での真空度は2×10^<‐8>forrであった。 真空度の上昇は良質化へとつながるので、次年度は更に真空度を高める努力を払うこと,及び他の希土類化合物の単結晶を育成したい。
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[Publications] Y.Onuki et al.: "Fermi Surface Properties of CeRu_2Si_2 and LaRu_2Si_2" to be published in J.Phys.Soc.Jpn.
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[Publications] 大貫 惇睦: "結晶成長ハンドブック" 共立出版, (1992)