1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03554006
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大貫 惇睦 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (40118659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 一彦 筑波大学, 物質工学系, 助手 (60225927)
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Keywords | 超高真空 / 帯溶融法 / 単結晶育成 / 重い電子系 / 希土類化合物 / CeRu_2Si_2 / LaRh_2 |
Research Abstract |
本研究は希土類化合物の純良な単結晶を育成するために、超高真空下での単結晶育成技術を開発することを目的としている。希土類化合物は育成のあらゆる段階を通じてガスが吸蔵される極めて活性な物質である。そのため単結晶は育成されるが、純良な単結晶育成は一般には困難な現状にある。その点を技術開発が著しい超高真空下で育成を行うことによって克服する。また本研究試験炉はボート状の水冷銅製ルツボ上で高周波を用い,希土類化合物を帯溶融させることによって単結晶化させるので融体とルツボとの反応が無いなどの利点を有する。 今年度は重い電子系の典型物質であるCeRu_2Si_2の純良単結晶育成を昨年度に引き続き行った。また新たに立方晶のラーベス構造のRX_2(R:希土類元素,X=Rh,Ru,Ir)単結晶育成も試みた。以下にその研究結果を述べる。 CeRu_2Si_2に対しては水冷の銅ハース上に原材料をセットし,トライ・アーク溶解炉で原材料を溶融し,引上げ法でまず単結晶を育成した。その後,上述の超高真空下(1×10^<-8>torr)で,1500℃の高温で5時間アニールを行った。この脱ガスは単結晶の純良化に極めて効果的であり,残留抵抗比が250の世界最高の単結晶が育成された。この純良単結晶により,サイクロトロン質量が120m_0の重いキャリアをドハース・ファンアルフェン効果で観測することに成功した。バンド計算の結果との対応から,このキャリアは大きな正孔フェルミ面に対応することが明らかになった。 RX_2に対しては,LaRh_2を上述の超高真空下で帯溶融することによって単結晶を始めて育成することに成功した。この単結晶を用いて,ドハース・ファンアルフェン効果によりフェルミ面の性質を明らかにした。
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[Publications] H.Aoki et al.: "Observation of Heavy Electrons in CeRu_2Si_2 via the dHVA Effect" J.Phys.Soc.Jpn.61. 3457-3461 (1992)
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[Publications] K.Satoh et al.: "de Haas-san Alphen Effect in UGe_2" J.Phys.Soc.Jpn.61. 1827-1828 (1992)
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[Publications] Y.Onuki: "Quantum Oscillatory Magnetization" Jpn.J.Apl.Phys. 8. 149-156 (1993)
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[Publications] H.Aoki et al.: "dHVA Effect Study of Meta magnehc Transition in CeRu Si_2" J.Phys.Soc.Jpn.