1992 Fiscal Year Annual Research Report
選択ドーピングのできる高温超伝導母体結晶の開発と超伝導体PN接合の試作
Project/Area Number |
03555001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内田 慎一 東京大学, 工学部, 教授 (10114399)
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Keywords | 酸化物超伝導体 / Cu酸化物 / Bi酸化物 / P型ドーピング / N型ドーピング / 超伝導PN接合 / PrBa_2Cu_3O_7 |
Research Abstract |
高温超伝導体のキャリアーのタイプを決めているのは,結晶構造においてCu原子をとり囲む頂点酸素の有無であると経験的に考えられてきた。現在までにP型、N型両タイプにドーピングできるCu酸化物はみつかっていない。しかし,様々なスペクトロスコピーを用いて検討した結果,キャリアータイプを決めているのはCuO_2面内のCuとOとのマーデルングポテンシャルの差であって,頂点酸素の有無は間接的な要因であることがわかってきた。 そこで注目したのは,典型的なP型高温超伝導体YBa_2Cu_3O_7(Y123)のYをPrで全置換したPrBa_2Cu_3O_7(Pr123)である。Y123の希土類置換体のうちPr123だけが超伝導性を示さないことはよく知られている。その原因がPr123ではマーデルングポテンシャルの差が小さく、P型ドーピングしにくいというところにあることが本研究で解明された。Pr123の状況はN型ドーピングに有利である。そこで,Prの一部をCeに,Baの一部をLaに,またOの一部をFに置換するなど一連のN型ドーピングを試みた。現在のところ常圧下での元素置換は難かしく,高圧下での合成処理を計画している。 近年,Pr123とY123との積層超格子が多くの研究機関で作製されており,Pr123を絶縁体層とする良質なSIS接合がつくられ始めている。もし,Pr123がN型の超伝導体になることが実証されれば,この接合は自動的に超伝導体PN接合となる。その時,初めて超伝導体PN接合で何が起こるか,高温超伝導独自のエレクトロニクスへの道が拓かれるかどうかが試されるであろう。同時に,これは超伝導状態において,P型N型クーパー対に意味があるかどうかという基本的な問いに解答を与えるものであると期待される。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 玉作 賢治: "Charge dynamics across the CuO_2 planes in La_<2-x>Sr_xCuO_4" Phys.Rev.Lett.69. 1455-1458 (1992)
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[Publications] 竹中 康司: "Anisotropic optical spectrum of untwinned PrBa_2Cu_3O_7" Phys.Rev.B. 46. 5833-5836 (1992)
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[Publications] 中村 泰信: "Anisotropic transport properties of single crystal La_<2-x-y>Nd_ySr_xCuO_4" Phys.Rev.B. 46. 5841-5844 (1992)
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[Publications] 吉田 政司: "Two magnon and two-phonon excitations in some parent insulating compounds of the high T_c cuprates" Phys.Rev.B. 46. 6505-6510 (1992)
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[Publications] 内田 慎一: "Electron correlation and charge dynamics in high T_c copper oxides" J.Phys.Chem.Solids. 53. 1603-1610 (1992)
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[Publications] 内田 慎一: "Electronic structure and fermiology of high T_c superconductors Experimental summary" J.Phys.Chem.Solids. 53. 1717-1720 (1992)
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[Publications] 内田 慎一: "Electronic Properties and Mechanisms of High T_c Super conductors Optical study of the high T_c cuprates" Elsevier Science Publishers, 433 (1992)