1991 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能ブラッグ反射法によるGHz帯,音波緩和測定装置の開発
Project/Area Number |
03555011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高木 堅志郎 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90013218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤島 啓 (株)村田製作所, 技術研究部長
崔 博坤 明治大学, 理工学部, 講師 (30143530)
酒井 啓司 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (00215584)
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Keywords | 高分解能ブラッグ反射法 / ハイパ-ソニックスペクトロスコピ- / 音波緩和現象 / 振動緩和 / 光ヘラロダイン法 |
Research Abstract |
音波暖和法は、分子や分子集合体レベルで物質の動的挙動を調べる非常に有効な手段である。これまで多くの研究者が液体、高分子系、生体系の暖和過程を測定し、分子ダイナミクスを研究してきた。しかし従来の技術は周波数が主に100MHz以下に限られているため、昨今の要求である「より速く、よりミクロな現象」の研究に対応することは極めて困難であった。我々は高分解能ブラッグ反射法という新しい音速、吸収測定技術を考案し、1.5GHzまでの広帯域測定を可能にしている。本研究の目的はこの測定法を実用化の観点から見直し、さらに高周波化し、GHz域の音波スペクトルを求める新しい物性測定装置として確立することにある。本年度の研究成果は次の3点に要約できる。 1)HRB法の高周波・高性能化:従来のHRB法の測定帯域を拡大する試みを行なった。高周波超音波を励振する新たなZnO超薄膜圧電トランスデュ-サ-を製作した。また高周波化にともない散乱角が大きくなるため信号の安定度が悪化するが、これを克服するため光学系を最適位置に微調しながら角度掃引する技術を開発した。これにより2GHzを越える領域での測定が可能になった。 2)HRB法の汎用化:これまでの超音波励振と光ビ-ト信号の受信は、特殊な周波数関係をもつ同調受・発振器の組み合わせで行なってきた。これはメ-カ-への特注によってのみ可能であり、HRB法の汎用化の最大のネックとなっている。今年度は、高周波ミキサ-を周波数変調に用い、汎用電気製品のみでHRB法を構成することを試み、成功した。これにより、HRB法の実用化し、製品化へ向けての見通しをつけることができた。 3)波体の振動暖和の研究:改良されたHRB法を用いてトルエン中の高周波超音波測定を行い、振動暖和現象について重要な知見を得た。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Matsuoka,K.Sakai,K.takagi: "An improved system of HRB (High Resolution Bragg Reflection)method for ultrasonic measurements up to 2.1 GHz" Journal of Acoustical Society,Japan. 13. (1992)
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[Publications] T.Matsuoka,K.Sakai,K.Takagi: "Optical beating Brillouin Spectroscopy" Japanese Journal of Applied Physics. 31. (1992)
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[Publications] 高木 堅志郎,酒井 啓司: "レ-ザ-を利用した最近の超音波スペクトロスコピ-" 応用物理. 60. 264-269 (1991)